最後まで着る服(2)
まずは、この二つから。
どちらも多分、叔母に買ってもらったカーディガン。
でも茶色の方は一万二千円だったような記憶がおぼろにあり、もしや自分で買ったのかな?
ピンクの方は、叔母が持って来てくれたような気がする。写真を撮ったら、今の飼い猫カツジも写っているのはご愛嬌(笑)。
とは言え、叔母に買ってもらった服はこれ以外にも山ほどあり、クリーニングに出すような上等なものはほとんどがそうだと言って過言ではない。気に入っているものも多い。
その中で、なぜこの二つが文句なしに筆頭になる永久保存服かと言うと、やっぱり、この二枚の写真のせいだろう。
どちらも二十五年前、二〇〇〇年に亡くなった愛猫キャラメルとのツーショットである。このカーディガンを着て、彼を抱いて写っている私はまだ髪も黒く、その後いくつかの手術でとった臓器の数々も、このときは皆まだあった(笑)。
そういう意味でも記念すべき写真で、ついでに、その証拠だか生き証人(生きとらんって)だかの、この二枚の服も捨てられない。
実際に温かくて重宝もするので、毎年必ず着ている。今ではもう最高のよそ行きではなく準よそ行きみたいな位置だが、そうやって着てもクリーニングに出しても、まだあまり古びていない。
きっとこの分じゃ、私が死ぬまでこのまま現役なんじゃないかなあ。まあ、そのあとのことは知ったこっちゃないが、できれば私と一緒に埋めたり焼いたりなんかしないで、誰かがまた着てほしいかな。(2015.4.26.)