1. TOP
  2. 岬のたき火
  3. 日記
  4. うがー、悩ましい

うがー、悩ましい

何ごとかと思われますでしょうが、来期の集中講義のテキストの件です。
NHKの大河ドラマにのっかって、戯作、特に黄表紙と合巻をテーマにやろうかと考えてるのですが、予想した通り、そろそろ江戸ブームをあてこんだ本がいろいろ出始めて、黄表紙の入門書も、そこそこテキストに使えそうな本も出て来てるんだよねー。これとかさ。

テキストにするのは、ほんとに手ごろなんだけど、これが1800円ぐらいしやがるのよ。学生にこんな高い本買わせるのいやだなあ。そりゃ買っといて無駄になる本じゃないし、2000円弱は許容範囲かもしれないが。迷うよ。ちなみに私は毎年、自分の古い本を(もちろん新品ですよ)大幅値下げの500~1000円でテキストにしてる。

主なとこだけコピーして使うって手もあるけど、どうしようかな。あー、悩ましい。

昨日、移動販売の車が来て、ご近所の奥様方と買い物をしていたら、お一人が「テレビはもう中居くんのニュースばっかりで、何がどうなってるのかちっともわからない」とおっしゃる。ネットで見ただけですけど、と前置きして、フジテレビの女子アナさんをレイプして、けがさせて、その人はすぐ病院に行って上司にも訴えたけど、「大変だったねー」とだけで、何もしてもらえなくて、そもそも普通の宴会みたいだったはずが、なぜか他のメンバーが皆欠席して中居くんと二人だけにさせられて、前にもそういうことはなされていたようで、要するにテレビ局の上層部の人が、そういうことをいつもやっていて、自局の女子アナをタレントなどにさしだしていたのではないかという疑いが出て来て、証言も出て来てるらしいと言ったら、皆さん「えー」と驚いて、「そんなことテレビを見ていても、ちっともわからなかった。すごいなあ、芸能ニュースにも詳しいんですね」と言われて、びびった。

何よりびびったのは、あれだけ朝から晩まで、この事件を報道していて、肝心のことは何も言わないから、視聴者は誰も何があったのかわかってないままってことで、これってすごくないですか。テレビ局も新聞も。
 その時居合わせた奥様方は、皆聡明でしっかりしておられて、理解力とかめちゃくちゃ高い方ばかりだ。そういう方々が聞いていて、何のことかさっぱりわからないニュースを報道機関は口角泡を飛ばして話し続けてるのだ。何なんだもう、いったいこれは。

Xとか見てたら、中居さんが引退したのに怒ったファンたちが、被害者の女性にものすごい悪口雑言を浴びせている。私もミーハーの方だから、「推し」がひどいめにあったからと逆上する気分は、まあわからないでもないが、それでも見てるとくらくら目まいがして来そうだ。せめて、いったい、この怒っているファンの皆さんは、中居さんがやったと言われてることのすべてを、しっかり、きちんと読んで把握してるのだろうか。何となくそうは思えないのだが。

まあたしかに、彼もまた被害者でもあるよ。こんなとんでもないテレビ局の接待が常態化していたとすれば、引退も何も当然ではあるけれど、彼だけが罰されてすむ問題ではないよ。ファンはそっちに怒るべきだろ。被害者や告発者を攻撃したって、道ですべったバナナの皮を腹いせに食ってる以上にあほらしくって不毛じゃないか。いや、いいたとえじゃないけどさ。

垣内美雨の文庫本『もう別れてもいいですか』を読む。面白かったし痛快だったし、これが読まれて人気になってるのも気持ちがいい。ただ、こっちも急いで読んでしまったせいかもしれないが、主人公が三人称だったり一人称だったり、ときどき「私」や「自分」となってるのは、筒井康隆なみの何か画期的な実験なのか、ただのミスなのかわからない。後者だったらひどすぎる。編集者も作者も、よっぽど忙しくて手抜き工事になったのかと思うけど、まさかと思って落ち着かない。コメントや感想見ても、誰もそのことにふれていないし、私が何か見落としてるのかなあ。不安だから、読み直そうかと思うけど、そのヒマもなさそうだし。これもまた、悩ましい。

Twitter Facebook
カツジ猫