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お釈迦様には負けたくない

トランプ大統領の、狂気というには迫力もなく、何だか酔っぱらいのくだまきのような就任演説をチラ見して、アメリカ国民でもないのに、そぞろ恥ずかしくなった。地球市民としても恥ずかしいか。

どーでもいいが、移民を排斥排除するのが政策の売りの一つらしいが、これも、もれうけたまわったところじゃ、とりまきのイーロン・マスク氏はじめ主だった何人かも、もともとは南アフリカやブラジルやどこかの出身で、ちょっと逆上れば移民だろ。まあ、アメリカの主要部分のそのものが、先住民から土地を奪って住み着いた移民集団であるのはさておくとして。

その主要部分だか根幹だか、純血種っぽい顔してた、いわゆるWASPの人たちって、この状態をどう見て、どう感じてるんだろ。調べるヒマもないが、知りたいもんだよ。

そして、一方で、自分らがよそから来た記憶やら感情やらが、イーロン・マスク氏をはじめとした、こういう人たちの中では、どう整理されてるんだろう。勝ち組だったら国籍や出自は関係ないということか。「勝ち組・金持ち」が彼らの郷里で祖国かな。それって、敵味方両国に武器売りつけて殺し合いさせて気にもならない「死の商人」感覚と似てるというか、まんまじゃないか。それでアメリカへの愛やなんかを語られてもなあ。

私は毎回、ガン細胞はバカだ、自分の領土拡張発展のためには宿主殺して自分の居場所なくして結局自分も死滅するのはアホすぎる、宿主ともに滅びて行くときの感想をいっぺん聞いてみたいものだと口にしてるが、地球温暖化をくいとめるパリ協定から離脱する書類にサインするとかいうトランプを見てると、だんだん、その顔がガン細胞に見えて来たりする。

それと、後から来た自分たちと共通の苦しみを持つ人たちを、切り捨てて排除して極楽に住もうっていう発想は、これもまんま、芥川竜之介の「蜘蛛の糸」じゃんかよ。私は無神論者のくせに、お釈迦様だの神様だのに、どことなく反抗意識や抵抗感を抱いてる人間であるからして、あの短編の最後のように、お釈迦様に悲しげな笑みを浮かべて蓮の花の池のほとりをぶらつかせるような情けない負け犬には、人間としてなりたくないんだけど。

近所で水道工事があるとかで、家の前の道が通行禁止になりそうで、朝の内に近くの路地に車を移動させようかと、さっき行ってみたら、フロントガラスに氷がみっしりはりついていて、逃げ帰って来た。どうしてくれよう。

写真はずっと昔、北九州の美術展かどっかで撮った写真。そろそろどこかの展覧会にも行きたいなあ。叔母の毛皮のコートとか母の手編みのセーターとかを見せびらかしに。あと何年着られるかわからないんだし。

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カツジ猫