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けんかを売る気はないけれど

トランプのあほんだら(もうこういう呼び方しか思いつけない私には)が、国内のウクライナ移民を追い出そうとか、日本はもっと軍事費を負担しろとか、くだを巻いている。日本を守ってやってるとか恩を着せてるが、あのね、私の死んだ母が、幼い私にくりかえし言ってたことがあってね。「何であんたアメリカが自分を犠牲にして日本を守ったりするもんね。この前の戦争のときだって、南の島に自分らの基地おいて、さんざんっぱら戦っておいて、いざ形勢が悪くなると、皆しゅうっと飛行機で故国に逃げ帰ってしまった。日本軍がそのあと、そういう島に行って、敵だからっていうので、島の人をめちゃくちゃにしたのさ。私はあれを忘れんよ。どうせ今度もまたそうするに決まってる」って言うんだけど。まるで近所のスーパーか美容院の話をするように、普通に、身近に、日常にくり返してました。それだけ実感としてしみついてたんだと思います。ちなみに母は長崎のミッション系の短大に行って、授業は国文学以外全部英語で、宣教師の人たちとも親しくつきあってた人ですが、だからこそなのか、こういうところはまったく幻想を持たず、容赦もありませんでした。

腹立つと言えば兵庫県知事の件、百条委員会がどんなに苦しい理不尽な攻撃を受けたかわからない中でがんばって、知事のパワハラはあった、告発は正しかった、その内部告発者に対する知事の対応はまちがっていたと、どー考えてもきわめて普通のまっとうな判断を示したのには本当に救われた。でも、そのあとの知事の会見で、知事は反省どころかまたこりもせず、内部告発者の元局長か何かに対して、ひどい中傷をくり返し、「文句があったらしかるべく抗議をして訴えればよかったのに、それを本人がしていないんだから」といけしゃあしゃあぬけぬけと抜かしたのには恐れ入谷の鬼子母神(いかん、大河ドラマに毒されているわ私)だが、この人の精神はいったいどうなっているんだろう。

知らんけど、この人だって、もともとはここまでひどくはなかったんだろう。とんでもない首長は全国に他にもいて(もちろん立派な人もいるけど)、その中のひとりって程度だったんだろう。だんだん追い込まれて、もうこういう人でなしの鬼畜まがいの発言をするしかなくなったってことなんだろうけど、まさにダークサイドに落ちて、泥沼にはまったって感じなんだろうな。しょうもない。

まあそれに比べれば、別に怒るようなことでもないし、けんかを売るつもりもない、本当に虚心坦懐の疑問なのだが。
 大河ドラマ「べらぼう」の視聴率はかなり低かったらしいが、少し持ち直して来たらしい。私の見るネットの記事では、例によってパソコンが私にしっぽを振って、気にいる情報しか持ってこないものだから、そんなこととは知らなかった。
 それで、批判する人の中に「子どもに見せられない」「子どもといっしょに見られない」という声をよく目にする。

いや本当にけんかを売るつもりはないが、そういう意見を見て、とっさに私が考えてしまうのは、いらんことだし、まちがってるかもしれないが、「それであなたは、子どもに見せられないような番組や芸術や思想やなんかを、子どもとは別に、一人でちゃんとしっかり見て、味わっているんでしょうか」ということだ。いや本当に、まさかと思うが「子どもに見せられる」番組ばっかを、自分も見てるんじゃないよね。それだけ見とけば大丈夫って思ってなんかいないよね。まさかね。デパートの食堂やファミレスで、お子様ランチだけを子どもとつきあって食べてすましてるぐらい、異常で危険なことだぞ、それって。

もうひとつ、吉原だの売春だのを子どもに見せたくないのはわかるとしても、じゃあ、犯罪ドラマや時代劇は気にならないのかい。大河ドラマで例年普通だった、戦いと人殺しの場面は、子どもとオムライスとか食べながら平気で鑑賞してるんだろうか。人の首をはねたり、胸を刀でさしつらぬいたりする場面とか親子で見てても気にならないの?ついでに言うとアニメでも大量殺戮とかけっこう普通に出てる気がするけど?ああいうのはかまわないわけ?

まあ児童文学でも子どもが戦って敵を殺す話は、それこそ「ナルニア物語」でも普通だし、小中高の教科書の古典に軍記物の人殺し場面はそこそこ出ても、近松の心中物はまず出ないからなあ。そういう点で、殺人や暴力にはゆるくて、性愛には厳しいのが、いつもどっか変だと思ってもいた。

だから、そういうことにもつながる問題で、簡単には白黒つけがたいことなんだろうが、やっぱりちょっと聞いてみたくもなるのだよ。「子どもに見せられないような番組や本を、ちゃんと読んで考えて暮らしていらっしゃいますか?」って。

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カツジ猫