伏兵わらわら
二月も三月も予定が空っぽで、まっしろしろの手帳や予定表を見て、何と美しいとうっとりしていたのだが、はっと気がつくと確定申告があるんだよなー! 政府の閣僚その他が軒並み裏金の脱税のしてる中で、600円とか400円とかのレシートを何十枚も集める、うざったらしい作業をしなくちゃならないのを、思い出しただけでがっくりうんざりしてしまう。他にもいろいろ、片づけなければならない仕事を思い出して、ぐえ~とベッドでのびている。
まあそんなこと言っていてもしかたがないから、一応せっせと仕事や家事にはげんではいるんだけど。
森永卓郎さんが亡くなった。あれだけ最後まで仕事をしてくれたのだから、残念とか淋しいとか言うのも申し訳ないが、何だか思いきり身近な人がいなくなったような気がする。最初にテレビに出始めたころ、私は忙しくてあまり見てなかったが、母が「この人いいよ~。番組の中で他の人に怒られたり、ひどいこと言われたりしても、いつも、きょとんとして、にこにこしてて」と何度も言って、ほめていたのを思い出す。戦闘的で攻撃的でも、決してとげとげしくなったり冷たくなったり意地悪になったりしない人で、最後までそれが変わらなかったのも、自信があったからなのだろうと、あらためて思う。
朝ドラ「おむすび」を毎朝横目でいいかげんに見ているが、最近思うに、着眼点はいいんだよなあ。ここ数年の災害や被災は、まさに戦争なみで、そこに焦点をあてて現代と日本を描こうとしたのは、ものすごくいい視点だと思う。なのに、まるでしまらないし、ちぐはぐなのは、やはり悩みや苦しみが個人や家族や庶民単位でしか語られず、政府や自治体の果たす役割がまったく視野に入っていないことだろう。日本復興をギャルの力と価値観に頼るのは、いくら何でも無理で無茶だし、冗談がすぎるってもんじゃなかろうか。誰にとっても明日はわが身の被災地復興の現状や課題を、まじめに真剣にとりくんで提示する覚悟があれば、「虎に翼」も凌駕する、すばらしいドラマになったんだろうに。毎回、不完全燃焼で、残念で、もどかしい。