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たとえ、どさくさにまぎれてでも。

◇街に髪のカットに行った帰り、いきなり声をかけられた。昔、九大にいた猫仲間の先生で、飼っていた猫さんに外国風の立派な名前をつけて、高価な猫グッズをいろいろ身に着けていた人だ。人と会う約束があるということで、それまでに二人で喫茶店でだべって、「そろそろ時間ですね」とお別れしたあと、よくよく時計を見たら、約束の時間を1時間過ぎていた。私とほぼ同い年の先生だが、年のせいかどうかはともかく、うかつな二人ではある。いったい約束の相手とはお会いになれたのかしらと心配だが、最近東京からこちらに引っ越して来たと言っていたし、住所も電話もわからないから、確かめようもない。

◇その先生に「猫さんは今いるんですか」と聞いたら、「もう皆死んでしまって、今は飼っていない。こちらが先に死ぬかもしれないから飼えないけど、でも、本当は死ぬときは猫をなでながら死にたいものだ」と言って、「猫を貸して飼わせてくれるところがあるといいんですがね」と私も言った。

先生の深緑色の立派なネクタイには、目立たないがおしゃれな猫の模様がしっかりポイントで入っていて、私がそのことを言うと、「猫のネクタイは100本近く持っているけど、もうネクタイをして行くようなところもないし」だって。1本下さいと言えばよかったかしら(笑)。

◇帰りの車の中でラジオを聞いていたら、かすかに硬派の番組ではあるのだけど、他愛のないおしゃべりの合間に、佐賀県の男性のハガキを紹介していて、その内容は「佐川国税庁長官が辞任したが、これで幕引きにしてはだめだと思う。アベ首相はていねいに説明すると選挙のときに言っていたが、全然説明していない」というものだった。

男女二人のアナウンサーは、それに賛成していて、男性は「そもそも森友問題のはじめごろ、アベさんは、私や妻が関わっていたら、首相も国会議員もやめると言ったんですよ。それはどうなったんですかね」と言い、女性は「そうでしたっけ。ほんとに、選挙のときは、そう言ってましたね」とか言っていた。
おー、皆ちゃんと覚えているじゃんと驚いたが、たとえ、どさくさまぎれであったとしても、そういうことが口に出せるような空気になってることはいいことだと、つくづく思う。

◇寒すぎて、ジムに行くのもさぼってしまった。家でお風呂に入るのさえ、何だかめんどうくさいなあ。今夜はこのまま寝ちゃおうかな。
先日見つけたベージュ色のパンツをリフォームに出して、大きくしてもらってたのを、今日は街にはいて行った。薄手だがウールなので、もう暑すぎるかなと思っていたのだが、この寒さでちょうどよくて、もうしばらく使えそうだ。コート類は皆クリーニングに出してしまったので、大学院時代に来ていた、安物の黒い薄めのぺらぺらのコートを着たら、くたびれ加減がかえってどことなくお洒落でよかった。これも当分着て回ってやろう。

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カツジ猫