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優雅に飛ぶカモメ
優雅に飛ぶ鳥

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黄色い蝶々

私のいるここからは
はためく白い帆は見えぬ
そびえる高いマストも見えぬ
ただ、赤い火が燃える
私の前のかまどの中で

私のいるここからは
船首にあがるしぶきは見えぬ
広がる青い海原も見えぬ
ただ、くれないの火花が散る
私の前のかまどの中で
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私のいるここからは
青ざめた月も、燃える太陽も
またたく星々も、朝焼けの空も見えぬ
水平線のかなたに、やがて現れる
ほのかな青い島影も見えぬ
ただ、昼夜の別なく、石炭が燃える
私の前のかまどの中で

おお、船底のせまい穴ぐらの中で
えびのように身体をかがめて石炭をたきながら
しかも、私は、誰よりも知っている
我々の船を、我々の海を
水平線のかなたに、やがて見える島影を
かまどの熱気に、石炭の重さに
手も顔も黒く汚し、流れる汗をぬぐいつつ
時に、私は疑ったが―
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今はもう知っている
私が、ここで、こうして、熱気の中で
石炭を燃やしつづける限り、船は走り、
海図の上でしか知らぬ、あの島は近づきつつあると
炎と影のゆらめきの中で、
シャベルを片手に、しばし目を閉じただけで
私のまぶたには、さわやかに風をはらむ帆が見える
朝焼けの紫の雲が、光のくだける波に浮かぶ鳥たちが
そしてあの島が、緑の森が、砂浜が

私のいるここからは
船のマストも、波も、雲も見えぬが
私は知っている、船が、必ず、
めざす港に着くだろうことを
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いたさかランド の世界

ブログ 岬のたき火 論文-資料 研究の沼 小説-映画 空想の森 板坂耀子プロフィール エッセイ 朝の浜辺 政治-社会 川っぷちの小屋

あ、そこは飼い主が、毎日更新してる。日記とか断捨離とか教育大とかね。ほやほやの新しい記事だよ。

うん、そこは飼い主の本職の研究論文。江戸の紀行文学、黄表紙の紹介、女性関係の論文、八犬伝なんかね。

えっと、映画感想と小説のコーナー。飼い主が書いたやつだよ。オタクの研究会もあったっけ。

そこ、いろんなエッセイが入ってる。猫や動物やお母さんのこと。授業ノートもね。レポートの書き方とか。

大学入試や九条の会や、原発、戦争、格差みたいな、ホットな話題がいっぱいだよ。楽しんで!

それは、なんだったかな...

木製の本棚

板坂耀子 プロフィール

板坂耀子、いたさかようこ

1946年大分県生まれ。
九州大学大学院に学び、熊本学園大学、愛知県立女子短期大学、福岡教育大学で国文学を教える。

2010年福岡教育大学を定年退職。
博士(文学)号所持。
現在、福岡教育大学名誉教授。

専門分野は江戸時代の紀行文学。
中公新書「江戸の紀行文」、ぺりかん社「江戸の旅と文学」をはじめ、出版した著書も大半はそれに関するもの。

中学時代から趣味で小説を書く。
大学院生時代に集英社「小説ジュニア」の新人賞で佳作となり、以後は年に数回、同誌に小説を掲載、集英社文庫「かげりゆく光の中で」を出版。

その後は「鳩時計文庫」「金時計文庫」を自費出版。
ネットでも小説を掲載中。
なお、文芸社から「断捨離狂騒曲」「断捨離乱れ箱」を発売中。

九州大学で文学部自治会執行委員長、福岡教育大学で教職員組合書記長、第一部主事、情報処理センター長を務める。
現在「むなかた九条の会」世話人代表。

飼った犬一匹、猫十五匹。
現在は猫一匹と同居。
車は六台目のキンポウゲ色の軽で、新車での購入はこれが初めて。

建てた家三軒 :南生屋、美尾庵、伽羅館
管理した家二軒:ゆきうさぎ亭、留客洞など

好きなもの:孤独と自由
好きな色 :灰色
好きな花 :水仙と菜の花
好きな場所:川と森
好きな季節:早春
好きな画家:鄭東珠と大江良二
よく行く店:ラグラス・フィールドとギャラリーあり
常宿   :由布院倶楽部
※2021年3月現在

著書

カツジ猫