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やれやれまったく

一夜明けてニュースをチラ見したら、福岡県議会、共産党の議員はたしか二人いたはずなのがゼロになってるし、維新は三人も新人が当選してるし、先が思いやられるなこりゃ。
 私は維新が大変嫌いで、自公の方がまだましと思うほどなので、全国的にこれが飛躍したのは実にうっとうしい。その場その場で相手の気に入るようなことを言って、つじつまを合わせる気もなさそうなのが、ちょっと見た人にはよく見えるのだろうが、あてにできないのはAI知能とどっちだろうか。

腹立つから、今日は天気もいいし、少し片づいた奥庭で、花の中の椅子に座って、うつらうつらしながら本を読むというぜいたくにひたった。暑くなるまでは、しばらくここで楽しめそうだ。

最近のライトノベルか何かの世界では、一時期の「お店もの」から「お料理もの」がブームになってるのか、おいしいレシピの読めるものが多い。原田ひ香の『口福のレシピ』も一気読みしたが、つられて今までまったく買ったことのなかった魚の切り身を最近毎日買ってきて、塩焼きにしては余ってたカップの焼酎をぶっかけて、ふんわりできあがったのを楽しく食べている。この作者の作品は、毎回それとなく根底に母親への尊敬がただよっているのが、いいかくし味になっている。

角田光代『今日も一日君を見てた』は飼い猫トトとの日々をつづったエッセイで、普通の猫の話ではなく、トトという個性ある動物との暮らしを読んだ気になる、ふしぎな本だ。猫というか動物というかある生命を愛した話という点が珍しく心にしみるが、猫の本としてはものたりないのが妙でならない。悪口ではない。こうなるのがあたりまえの、こうなるしかない内容なのだが、トトのことはよくわかるのに、猫としての姿が伝わらない。そこをもう、突き抜けてしまっているからかな。

高山真の『エゴイスト』もすっきりしていて清々しくて面白く、作者の他の本も読もうかと思ったら、どれもえらく高いので、あきらめた。あんまり手をひろげすぎるのも何なので、これでよかったのかもしれないが残念だ。お金が入ったら買おうかしらん。

久々に買った江國香織の『去年の雪』も、意表をついて楽しかった。たくさんの人々の人生がただもう影絵のように流れて行く美しさと贅沢さに、時々思わず声をあげて笑った。読んでるとだんだん自分も生きてるのか死んでるのかわからなくなるのが、宙に浮かんでるような快感を生む。

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カツジ猫