キンモクセイの香り。
◇自分の家の「八景」を選ぶとしたら、その一つになるだろうなと思うのが、下の家の廊下から射しこむ朝日です。ちょうど日の出がこの季節になると、隣りの崖の上の栗の木のあたりからになるようで、朝日の輝きがそのまま廊下に届きます。音もなく静かに入ってくる光が、まるで音楽のようです。
太陽の出る位置は少しずつずれて行くので、こうなる時期はちょうど、庭のキンモクセイが香り始める頃でもあります。庭に出るたび、甘い香りがただよって来ます。
もっとも、上の家では、がらくたをかたづけている間に見つけた、古い部屋用のフレグランスをちょっと噴射してみたら、ムスクっぽい神秘的な香りが相当強くただよって、それが仏壇のお香の香とまじって、何だか東洋の妖しげな神殿のようになっています(笑)。
◇この前から書いていた「九条の会」関係のチラシをアップしておきます。もう賞味期限切れのものもありますが、歴史の証言として参考になるかも(笑)。
そう言えば、九月のチラシの最後に書いた映画「ロベレ将軍」の話なんですが、私はこれ、実は大昔に大学で自治会活動していた時に、たしか討論資料として、どこかにちょろっと書いたのですよね。そうしたら、あるクラスの委員が、あの一文でクラスが盛り上がって、ものすごく熱のある討論ができたと話していましたっけ。彼もいいおじさんでしょうが、まだ生きているのかな。もしや今ごろ、アザラシになってたりしてね(笑)。
そして今回もちょっと書いたら、九条の会の数人から「今度のビラはよかった」と言われて、いつもいいじゃん(笑)と思っていたら、一人が「あの映画の話はよかった」と言ったので、どこがほめられてるかわかりました。
お隣のご主人も、これはかなり前のチラシで「悪人よりも害なのは善人の沈黙、と言うから」と私のチラシを引いて集会に参加してくれたし、こういうことばは黙って遠慮している善意の人々に、影響が大きいんですかねえ。
◇それで、予告ばっかりしていた共産党議員の真島さんの10月3日の報告会のことを簡単に。
私は前に福岡で真島さんが演説されているのを遠くから聞いたことがあって、その時の印象はまじめだけど地味な人だなという感じで、派手な人気は出ないだろうけど、信頼できるという印象でした。今回も私の講義なんかとは正反対の(笑)めりはりをつけてごまかすとかじゃない誠実な報告で、安心して聞けました。
メモにもとづいて箇条書きにします。
「9月19日に強行採決された。その前の数日、数万人が国会をとりかこんだ。憲法違反が明らかな法律であることに対する皆の怒りが可視化された」
「採決直前の公聴会は、本来は審議のためのものなのに、3日間審議はしないまま、ただやったことを理由に開かれた」
「採決は史上最低の方法で行われた。与党議員でドームを作り、議長の声も聞こえず、議事録さえも残っていない」
「衆参両院で各111回ほど、計200回以上速記が止まった。それほど政府の答弁不能の場面が多かった」
「答弁不能が示しているように、政府の説明はすべていいかげんだった。高村さんはホルムズ海峡の機雷除去をしないと、石油が来なくて、北海道の人たちは半年で凍死してしまうと言った。機雷除去の話自体、イランの首相からそんな事態はあり得ないという発言があって理由にならなくなったが、この高村さんの話については北海道の人たちの中から、『半年したら春になります』という声が出た」
「政府は砂川判決を理由にしたが、この判決はそもそも集団的自衛権を問題にしていなくて、これは何の理由にもならない」
「政府が長官を更迭して骨抜きにした法制局の元長官の坂田氏は、この法案は『他国に日本攻撃の口実を与える』と明言している」
「総理は最後には中国・北朝鮮脅威論を持ち出した。衆院では言わなかったがこれはアメリカからも『中韓と協同して北朝鮮を抑えろ』と言われていたからだ。それが、せっぱつまって参院では持ち出してきた。中国は軍事費を41倍に増やしたと強調したりした」
「しかし、アメリカと中国はこの3年で6回もトップ会談を行って、密接な経済関係にある。もたれあい支えあっているといってよい。アメリカは北東アジアでの軍事対決は避けたいと思っている。そもそも日本も、世界で一番日本企業が中国に進出していて、米中以上に親密な経済関係にある」
「このような状況では戦争で解決できる問題はなく、外交努力をするしかない。日本への侵略は、個別的自衛権で対処できる」
◇まだ続くのですが、ちょっとカツジ猫の点眼薬を病院にもらいに行くので、ここまでに。あとはまた明日(笑)。
◇それにしても毎日新聞の投書欄では、バランスもとらねばと思ってか、「採決阻止のために野党の女性議員が『セクハラ発言』をした。最低だ」(そんな事実はないという当事者たちの証言がちゃんとネットで報道されているのに、投書者はともかく、毎日新聞編集局はそれも読まないんですかね。私でも読めるのだからチェックしたらすぐ上がってくる記事なのに)とか、今朝は「暴力で採決を阻止しようとした野党は、力で防がないといけないことを自ら立証した、憲法9条が日本が侵略されたときに守ってくれるというのか」(採決そのものが暴力的だったのは見えてないのか。まだらぼけでもあるまいし。それに採決と武器持っての命の取り合いを同等に語るのか。さすが火事と戦争を同一に語る首相の支持者はちがうわ。そしていっつも不思議でならんのだけど、何で憲法や9条をトランスフォーマーかウルトラマンみたいに、それがあればすべて安泰なアイテムみたいに思いこんでるのか。護憲派も9条の会も誰もそこまで、憲法や9条を水戸黄門の印籠やファンタジー小説の護符みたいには思ってないぞ。それがなくなったら、どうなるかが恐ろしいから守ろうとしているし、あろうとなかろうと、自分たちが必死で平和と民主主義を守らなくてはならないことが前提だ。アメリカや自衛隊や独裁者にまかせて昼寝しときたいなんていう怠けものは、せめて寝てい