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昨日の続き

◎私は小泉元首相は好きじゃありません。だから、今の首相の、正面から取り組まないで、こそこそ姑息な手段をとっては、その結果、意見のちがう同士でもまっとうな人は皆敵にまわすという、戦略的にもどう見ても賢くないし、品も悪いやり方に比べれば、まだずっとましだなどという、不毛な比較や選択はしないことにしています。

さはさりながら、原発はもうだめだ、今即時にゼロにするしかない、そこさえ総理が決めればあとは絶対何とかなると、彼(小泉さん)が言っていると聞くと、せめて彼をあれほどわ~わ~きゃ~きゃ~持ちあげて、甘い汁を吸ったり吸われたりした人たちは、ちょっと耳を傾けてもいいのではないかと思うわけです。

◎この話を紹介しているのは、8月26日の毎日新聞のコラム「風知草」で、書いている山田孝男という人は、一貫して原発の即時停止を主張しているので、いつもたのもしく拝見しているのですが、今回は、小泉元首相が原発維持を求める経団連のトップの経営者に、「ダメだ」と一喝し、彼らとともにフィンランドの核処理施設「オンカロ」を視察して、10万年先まで危険物質を貯蔵するのなんか無理だ、原発ゼロしかないという確信を深めたという内容。

いちいちあまりにもっともな内容で、すべてその通りとしか言いようがないのですが、思い起こせば東京都知事も、小林よしのり氏も、原発事故のあと、すぐに原発はなくして自然エネルギーにと言い出していて、今どうなっているのか知りませんが、よかれあしかれ、責任とって決断するのがうまい人なら、現実的にも当然その方向しかないとわかるのだと思います。

◎むしろ私が、このコラムを読んで、あらためて愕然と確認したのは、この期に及んでなお、原発維持を求めようと真剣に思うような経営者が、本当に存在するんだなあという、怒りも恐怖も通り越して、口をあんぐり開けたいような、驚くべき事実です。

いったい、福島の現実でもいいし、原発関連の本でもいいし、知識を求め情報を得てものごとを判断しようという気持ちは、この経営者たちにはないのか。いや、少々ものを知らなくても、感覚的かつ論理的に(この二つがこれだけ一致することなど、そうそうあるものではないと思うが)、もう原発には未来はないだめだということが、わからないのか。

◎私は「人間は金を持てばバカになる」という差別意識があって、収入の多い人は皆よっぽど気をつけないと、ろくなものにはならないという実感があります。自分自身も金を持っていると、どこかが狂って行くようで不安です。
ただ、それには、まちがいもあって、行き過ぎもあるだろうから、つとめてそういう偏見は持たないようにしてはいるのですが、こういう記事を読むと、もうどう考えてもどう見ても、日本の金持ちは金を持っている資格がないとしか言いようがない。

私は権力者や資産家が冷酷だったり悪人だったりするのは、まあやむを得ないかなと許せるのですが、そういう力を持つ人間が、愚かなのだけは絶対にがまんできない。
そして、今、原発を維持して日本も世界も人類も何とかなると考えるのは、考えられるのは、どう弁解しても、もう、ただのバカですよ。

何がいったい、彼らの感覚をこうまで狂わせるのか、その方にこうなったら、いっそ興味がわきますね。金が好きで贅沢が好きで、人のことなどどうでもいいと思っているにしたって、その金をもうけるためにも、人類と地球と、自分がしぼりとって、その上にあぐらをかく庶民と大衆は一応やっぱり必要なわけでしょうに。原発を維持することは、そういうもののすべてを危うくし、危機にさらすことだということは、そろばんはじいて、冷酷に理屈で考えても充分わかることでしょうに。

こんな、すっとぼけた経営者しか今の日本にはいないのでしょうか。ケイマン諸島といっしょに海の中に沈んでしまえ。

◎と、このように私が口汚くなるのも、連日連夜の寝不足のせいだと思うので、今夜は早目に寝ることにします。(笑)

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カツジ猫