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これでいいんだよねえ。

◇今朝10時にお客さんが来ることになってたので、朝からあわあわ掃除をして、片づけきれてなかった荷物を皆、上の家に移動させて、相当すっきりした。明日、押し入れその他に押しこんでしまうつもり。

こんなんでいいのかと、ちょっと思うが、今はもう、とりあえずまとめて押しこんでおいて、きれいな場所を確保して、仕事をどんどん進めた方がいい。ていうか、もう、それしかない。

◇お客さんは二人とも女性で、私がカツジ猫のことを、「自分は牡なのに、人間の男性が好きで、それも草食系のおとなしそうな人が、ツボみたいです。飼い主の私もふくめて、女性は皆、きらいみたいで」と紹介したところ、カツジは何をとち狂ったか、お二人にすりすりして甘えたあげく、ベッドの上で糸玉にたわむれまくり、後足で立ちあがって両前足で糸玉をつかむなど、ものすごいサービス精神を発揮して、皆のかっさいを浴びた。ほんとに、飼い主の期待を裏切ることに余念のない猫なんだから。

◇とにかく下の家は、久方ぶりにきれいになって、快適だ。このチャンスに、いろいろ一気に仕事をしたい。あーでも、さしあたり今夜は何かおかずを作っておかないと、明日食べるものがないぞ。

◇今日の「ぬれぎぬと文学」の授業では、別にグリム童話に限ったことではなく、童話は決して、まっとうでも単純でもなく、けっこう病気だし、そもそも文学は皆ちょっと異常で病気なのだと、しゃべったついでに、「花咲かじいさん」の話なんて、よく考えたらおかしかろ、何で、犬やら臼やら要求されるままに、あっさり隣りのじいさんに渡すんだよ、百歩ゆずって、犬を渡してしまったとしても、それが殺された時点で、もう臼を貸すのはやめるだろ普通、どうしてそんなに学習能力がないんだよ、隣家のじいさんに、何か借りでもあるのか、奥さんと浮気したのか恋愛関係なのか、などなど、学生をけむに巻いていたら、予定したところまで進まなかった。あーあ。

ついでに、「泣いた赤おに」の青おにが私は好かん、どこかわかるかと聞いたら、一人の学生が手を上げて「書き置きを残したことですか」と正解を言った。「そうそう、本当に赤おにのために悪役になって身をかくすなら、恋人ができたので引っ越しますとか、就職が決まったから故郷に戻りますとか、相手に負担かけないような言い方を考えんかい」と、管を巻いてたら、学生はすなおだから、最後の小レポートで、そのとおりだと思うとか賛成ですとか自分は深く考えずに読んでたとか、一も二もなく同感していて、こっちはかえって自己嫌悪になった。もうちょっと、ひねくれてたっていいんじゃないかい。赤子の手をひねったようで、後味が悪い。
でも、若い人に限ったことではなく、今の世の中か昔からか、皆けっこう素直で、いい人ばっかりなんだろうな。つくづく、そんな気がする。ひねくれてる間もないくらい、忙しいのかもしれない。

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カツジ猫