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ささやかに。

◇先ほど、RKBラジオの「サンデースイーツショップ」と言う番組あてに、以下のメールを送りました。
どんなにささやかでも、自分の声をとどけておきたいと思います。

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 初めてお便りいたします。


 老人ホームにいる母を訪れた帰りの車中で、たまたまこの番組を聞くことが多く、落ちついたお話と音楽が、安らぐひとときになっていました。

 けれど、オリンピックが始まってから、まるで全国民が日本の勝利を祈って一丸となっていることが前提のようなお話の雰囲気に、とてもとまどい、心が重くなりました。


 幼いころからオリンピックは好きです。でもそれは平和の祭典で、各国の選手たちを通して見知らぬ国のことを少しでも知ることができるのが楽しかったのです。
 最近それが、ひたすらにメダルの数と日本選手の勝利だけに焦点がしぼられた報道になっているのを、少し悲しく思っていましたが、ことさらに文句を言うようなことでもないと、あきらめていました。


 でも、ここ数年、特に去年から、安倍内閣の民主主義の手続きをまったく無視したような暴走ぶりや、選挙や沖縄のことをまったく報道しないマスメディアを見ていると、その中で開かれるオリンピックで、日本人の団結や国威発揚が強調されるのが、どうしても虚心坦懐に見ていられません。


 私は及ばずながら、そのような世の中の動きに対して、同じような懸念を抱く方々とともに、「九条の会」その他で、平和や民主主義を守ろうという活動を始めるようになりました。
 けれど私は基本的にヘタレでして、そういう活動をやっていると、いろいろ疲れて、ひっそりと一人で本を読んだり音楽でも聞いていたりしたいと思うこともしばしばです。
 この番組は、そういう私のひそかな安らぎでもありました。皆さんの静かで平和な日常の風景をかいまみ、美しくなつかしい音楽を聞いていると、世界情勢や戦争について、しばし忘れることができました。


 ここ数回、オリンピックに関連する、それこそ日本国民ならメダルの数が増えるのを喜ぶのが当然のようなお話や、閉会式での安倍首相や小池都知事のパフォーマンスを賞賛する投書の紹介に、その世界が崩れて行くのを感じています。


 安倍首相も小池百合子都知事も、「日本会議」や「在特会」という、人権を無視し、他国の方へのあからさまな差別をする問題の多い団体と深いつながりを持つこと、この方々のめざす国の未来が、オリンピックの精神とはあまりにも遠いものであることなどを、知っておいていただきたい、考えていただきたいということは、野暮で場違いな望みかもしれません。


 それでも、最近のこの番組を聞いていると、たとえばナチスやファシズムや戦争といったものは、美しい音楽や優しく快い語り口で、私たちの生活にしのびこんで来るものだということを、実感せずにはいられません。


 こう書いているとあらためて、私はこういうことを何も考えず、警戒も緊張もしないで、のびやかに楽しめるから、この番組が好きだったのだと、しみじみとわかりました。
 残念です。


    (住所・電話番号・署名)

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「ひめぎみ考」(小林とし子、笠間書院)という本を読みました。読みやすくて面白かったです。平安時代を中心に、女性たちの社会、女主従の中での姫君の存在を考えたもので、フェミニズムやジェンダーや近代の感覚や民主主義だけではわりきれない、それぞれの時代の女性のあり方の考察が、刺激的でした。唐突ですが、「ダウントン・アビー」の続きが見たくなりました。まだ準新作で、高いんだけどなあ。

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カツジ猫