ブタの看板。
◇今朝、他の市民の方数人と、沖ノ島の世界遺産について、宗像市の担当者の方と懇談した。いろいろと意見交換をして得るところはたがいに多かったと思う。女人禁制の問題が重要だということも、かなりわかっていただけたのではないかと感じた。
女人禁制の対策として、担当者の方が、「この問題の担当者には、むしろ女性を活用して、いろんな説明などにも女性を使うようにしているし、いろんなことについてもそういう女性の意見をとりいれているのですが」とおっしゃるので、私は「それは多分、人によっては、女性を盾にして、女性どうしを対立させるやり方として、反感を招きかねない。担当者になった女性は、女人禁制そのものに対して反対と述べる自由が保障されているのだろうか。そうでなければ、それはむしろ、とても残酷なことではないだろうか。たとえば日本人が行けない場所の宣伝をするのに、日本人を使うことで、差別しているという印象をやわらげられるものではないのでは」と反論して、まあある程度わかっていただけたかと思うのだが、そこでつい、「ほら、とんかつ料理の店の看板に、にっこり笑ったブタの絵があるようなもので」と言ったのは、どうもやっぱり私はいつも、一言多いのだよなあ(笑)。
◇もちろん、おそらく、そういう担当者の女性の中には、熱心に世界遺産になるように活動していて、女人禁制けっこうです大歓迎ですと思っておられる方も、きっと多いにちがいない。そうでなければ、つらくてやっていられないだろう。
でも、そこを承知で、厳しいことを言うのだが、そうやって「女性ですけど、女人禁制が悪いとは思いません」と、ものわかりよい態度をとることって、本当はとても罪深い。
その人が、そういう仕事のできる、それなりの地位や職場を得ているのだって、これまでに数知れない女性が、カッコ悪く、ものわかり悪く、本当に泥まみれ血まみれの戦いをして来たからこそ、男女平等や参政権が得られた、その結果であることを考えてほしいと思う。
私自身が、いつもそう自分に言い聞かせて、野暮でもアホでもみっともなくても、ことを荒立て波風起こして、女性の差別をなくそうとして来た。
私たちが少しでもスマートに、穏やかに、そういう戦いができるのは、これまでの女性たちの死に物狂いの髪ふり乱したみっともない戦いがあったからこそなのだ。そこを忘れて、昔のような女性たちの戦いを批判する人って、ほんとに恩知らずと思い上がりもはなはだしいとしか言いようがない。
◇昨日今日とやたらもう涼しくて、夜は寒くて風邪をひきそうと思っていたら、週末はまた猛暑だとか。たまらんなあもう。