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ただ立っている…ものすごく想像がつく。

菊池とおこ‏ @toko_kikuchi  さんという方が、次のようなことを書いておられます。私も前から、あちこちで言ってきたことなので、どうぞご確認下さい。
なお、東北の震災の時にボランティアに行った私の親戚の若い女性から聞いた話をつけ加えると、男性が戸外でする片づけなどの労働には賃金が払われますが、避難所での食事作りには、まったくそういうことがなかったそうです。これも、日常の「家事はタダ」感覚のせいでしょうね。
以下は、引用です。

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今まさに被災している方々にはそんな余裕はないと思うので、これはむしろその他の地域の皆さまに、この大きな災害を機に考えてみて欲しいことです。それは、ジェンダーの偏見や性差別は災害時にこそ表面化するということ、伝統的性別役割分業意識など災害時には何の役にも立たないということです。
                              災害時の性差別、一番有名で知られているのは、性加害やレイプが多発するということと生理用品への無理解だと思います。でもおそらくもっと些細でもっと盲点だと思うもの、わたしが身近で見聞きし体験したことをお話したいと思います。それは、支援物資の仕訳の時の話と避難所での食事作りです。
支援物資の仕分けで一番面倒くさいのは、実は衣類の整理です。箱に詰められた様々な衣類を、取り出して分別したたんで展示する、といった作業が発生します。そして被災者の方がそれぞれ衣類を選んで持って行った後は、乱れた衣類をまたたたまなければならなくなりますから、一度並べたら終わり、ではありません。延々と続きます。そして新しい衣類もどんどん届きます。ですが何故か、男性は衣類の整理には手を出さないのです。届いた物資を運び込み配置し一段落つくと、その後女性スタッフがずっと衣類をたたみ続けていても、手伝いません。やることがなくなれば、物資の間にただ立っています。
おそらく、衣類をたたむことは男性の役割だと思っていないのです。気づかないのです。声をかけても動く男性はまれです。ある男性スタッフに「女性ボランティアが足りないんじゃないか」と言われたこともありました。足りないのはこの場にいない女性ではなくて、この場にいる男性の手です。
「男性は重い物資を運ぶ役目があるだろう」と思われる方もいるかもしれません。ですが、こんな大変な時には重い物資でも何でも、女性だって運びます。持ち上げますし台車も押しますし何ならバンくらい運転するんです。こんな時に性別役割分業に無意識に囚われているのは、むしろ男性の方です。
また、避難所では朝昼晩と食事作りが始まります。温かく調理されたものを食べたいと思うのは、人情です。ところがここでも、食事作りに携わるのは女性ばかりです。女性だって別に、何の被害も受けなかった人たちではありません。被害を受けたおうちからわざわざ集まったり、避難所に避難している人たちが食事作りに従事するのです。男性は用意されたものを食べるのみです。それだけならまだしも、「年寄りの女は食事作りをするな、なぜなら汚いから」という理由で、食事作りに従事する女性の年齢制限を課した、という避難所の話も、実際そこに避難していた女性から聞いたこともあります。
朝ご飯って何時から作るか知ってますか?女性は下手すると、同じ被災者なのに朝4時5時から集まってご飯を作るんですよ?地元商工業者のおかあさんたちだって、動員掛けられてご飯作りするんですよ?お断りしておきますが、男性でもご飯は作れます。
ある福祉系のNPOでは、スタッフの栄養士さんが若い男子なので、彼が中心になってしばらく避難所の食事の用意をしました。炊き出しに来てくれる団体も、メンバーは女性だけではないです。災害時の炊き出しで大活躍してくださる自衛隊員だって、男性が多いですよね。
避難所にいる男性たちがご飯作りをせず食べるのみになってしまうのは、まさにそれが日常の延長だからだと思います。普段ナチュラルに家庭で女性にご飯の支度をしてもらっているのを、疑問なく続けているからだと思います。
「いざ大変なことになったら、男性が力を発揮する」そういうことを言う方はたくさんいますよね。ですがいざ大変な災害の事態になってみると、日常の性別役割分業を無意識に持ち込み続けるのは、男性の方です。女性は割と災害になると、「男性領域」と言われていた分野に踏み込みます。
それこそ重いものも運びますし、泥かき泥出しのような肉体労働も男性任せにしたりしないんです。わたしはある山あいの地域で「地域の男の人たちが自分たちの重機を持ち出して土砂を除いたから、役所や自衛隊が入る前に外に通じる道ができた」という話を被災後数日で聞きましたが、逆に言えば重機を自分で所持していて動かすようなレベルの人じゃないと、「いざという時の男性の頼りがい」など発揮できないんですよ。 わたしは、伝統的な男女の性別役割分業など、平和な平時の余裕がある時のプレイだと思う。余裕があるからこそ住み分けていられるのだと思う。災害など危機に直面した時、それは男性が普段温存していた力を発揮する時じゃなくて、男女関係なく何でもやらざるを得なくなる時です。男も女も無くなるのが、災害時です。だから、性別役割分業意識は災害時こそ何の役にも立たなくて害悪になるものだと思う。繰り返

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