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合作。

「ナイルパーチの女子会」面白かったです。「あまからカルテット」にうんざりしたまま、敬遠しないでよかった。
むしろ、これを読んだ後では、「あまからカルテット」は、作者の意地悪な悪い冗談みたいに見えてくる。

女性どうしの友情を、いたずらに賛美するのではなく、その難しさや恐さをホラー映画なみの、やや滑稽なまでにデフォルメした表現で浮かび上がらせているけど、通り一遍でない、型にはまらない、人の心の弱さが基本に描かれていて、そして決して女性に罪を着せてはいないけど、かと言って単純な男女の戦いにもしていない。

どういうか、読み終えて、ある感慨を持ちました。「女性の友情なんて成り立たない、あり得ない」と言われていた私の子どものころから、「セックス・アンド・ザ・シティ」などの確かな女性の友情がしっかり市民権を得るようになって、それがもう、皆を縛る常識として批判的に分析されるまで、時は流れて、進んだのだなと。そして、女性男性両方の責任や社会の在り方との関わりを、これほどきっちりとらえていて、決して安易に女性を悪役にも被害者にもしない視点や描き方が、ここまで生まれてきているのだなと。

作者はもちろんすぐれた才能の持ち主であることは疑いないのですが、でも、この人がこれだけの広さと深さで女性の友情を見つめて描ける背景には、フェミニズムやジェンダーや、その他もろもろの社会の進化と発展があって、それなくしては生まれなかった小説ではないかと思うのです。それは作者の過小評価では決してなくて、そういう男女を問わず、新しい時代をめざして苦闘してきた多くの人たちとの合作として、この小説は生まれているような感じがするのです。

いろいろある意味、ひっどい話なのですが、妙にさわやかに笑えるのは、これは大きな意味でも細かい意味でも、相当事実に近いという実感が私自身にもあるからで、ひとりひとりの登場人物が嘘みたいに「まさかこんな」と言いたいほどとんでもないけど、でも絶妙に過不足なくリアルなんですよね。醜すぎて、何もかもが美しい。

欲を言うとさ、いや冗談なんですけど、唯一の欠点は、真織さんがカッコよすぎ(笑)。彼女のせりふのひとつひとつが、特に最後の場面なんか、もう最高で笑い転げて読みました。彼女を主人公にして、一生を小説にしてほしいです。

◇これはまた、もし本当なら、全然別の意味で、ひどすぎる話だが、十分にありそうなのが恐い。そこまで編集者や出版社を信じられなくなっている自分が恐い。

https://twitter.com/TomoMachi/status/970885120126152704

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カツジ猫