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慰安婦像。

◇片づけが忙しくて、新聞を読むひまもなく、たまっていたのをざっと見て行ってたら、去年の12月の毎日新聞に「フィリピンで慰安婦像が新設」の記事があって、その小さい写真があまりにきれいだったので、思わずネットで画像をさがしてしまいました。

https://pbs.twimg.com/media/DQkU390W4AYvXdd.jpg

もっといい角度からの、もっといい画像もいろいろあるんですが、なぜかそれが皆「けしからん!」「陰謀だ!」と怒っている人の記事ばかり(笑)。それだけ汚らわしいと怒りながら、そんな素敵な映像で、この像を紹介してしまう感覚というのは何なのか、ちょっと知りたくなってしまう。普通そんなこと書く時は、意地でも醜くみっともなく見える画像を探しませんかね。どの角度からどうとっても、この像の気高さとりりしさは変わらないってわけなんだろうか。

◇しかし、ハリウッドのセクハラ問題もそうだけど、こういう女性や弱者に対する凌辱について、世界の流れはもう変えられないものになってる。好みや好悪は別にしても、その事実ぐらいは把握しておかないとまずいだろ。日本政府も、国民も。

私は韓国や朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への、憎悪や敵意は嫌いですよ。でも、もちろん隣国との関係には緊張も警戒も必要ですよ。しかし、だったらなおのこと、にこやかに仲よくし、借りは作らないようにし、借りができたら大急ぎで返し、相手との関係をせいいっぱい良好に構築して、けんかはそれからでしょう。本気で勝つつもりなんだったら。

◇私は個人でも組織でも、嫌いな人=敵の魅力と長所、好きな人=味方の欠点と弱点を、徹底的に分析します。相手と決裂訣別したとき、失うものがいかに大きく、被害が大きいか、しっかり確認してからでないと戦いなんか始めません。そんなの、戦いのイロハ以前の問題でしょ。

韓国や中国、朝鮮民主主義人民共和国に限らず、こちらがどれだけ相手に恩を受けたか、傷つけたか、そこをろくすっぽ知りもしないで、こっちがどれだけ正しいか相手がどれだけまちがってるかだけで頭を満載にして、戦いに臨んで、勝てるわけない。

◇私はいわゆる自虐史観と言われる「日本がアジアでしたこと」の教育が学校でされる時期には、もう大人だったので、その実態は知りません。だから、その問題点や限界もあったのかもしれないけど、それは体験としてはわからない。
ただ、一般論として、「自虐史観」は他者とけんかをする時の、まず最大の、基本の、初歩の初歩の武器ですよ。それを充分確認しておかなくては、自分の弱さや落ち度がわからないまま戦いを始めることになる。超危険です。
まあ、そこで、それだけで終わっちゃいけない、そこからはじめなきゃいけないってことではありますけどね。

◇慰安婦問題に話を戻すと、戦争で被害を受けた女性、特に性的な被害を受けた女性については、もう絶対に謝罪と贖罪しかないというのは、そろそろもう全世界の礼儀作法として定着しつつあるとしか私には見えない。その時に、その施設を誰が運営してたとか、本人も希望してた(この言い方は、女性に限らず、あらゆる事件の被害者の神経を逆なでしますからね。たとえ喜んで希望してたとしても、なお、そうですからね)とか、細かい検証をすることも必要ではありますが、基本、人殺しはいけないと同じかそれ以上の常識として、「絶対にそれはいけない、許せない。私は許さない。二度ともう、目の前でそういうことが行われそうだったら、火の中に飛びこんででもくいとめる。死んでもやらせない」ぐらいの覚悟と信念を血肉に溶けこませてから、そういう検証や反論にはとりかからなくちゃいけない。

◇あのね、話が超飛ぶよ。ほんとに、超飛ぶ。
私は一応、周囲の家庭よりは裕福な家に育ちました。その結果もあって、ずっと優等生でした。卒業後もそれなりに安定した生活環境にいて、苦労したことはありません。
だけど、だからこそ、ものすごく損をしたことも多分ある。「いばってる」と攻撃されたこともある。「もっと私たちに自分の幸せをわけるべきだ」みたいに要求されて、それに応じるしかなかったこともある。傷ついたし、苦しんだ。自分の幸せは持っていていいのかという不安を、ずっと抱えて生きて来た。

私は死ぬまでにしたい、いろんな仕事がまだあるけれど、できるかどうかわからないけど、一番したい仕事のひとつは、この「恵まれてる者が、恵まれてない者から受ける差別」を分析し、理論化することです。

もうそんなの、自己責任とか勝ち組負け組とか生活保護の切り捨てとかヘイトスピーチとかで、充分やられてるじゃないかと言われるでしょうが、ああいう醜悪で無様なかたちではなく、もっとちゃんと、それこそ、被害者、弱者の立場を骨身にしみるほど理解して、そういう人たちを命かけても守り抜くという決意をした上で、なお、そのような弱者や被害者の罪を告発したい。

その準備も覚悟もできてないと思うから、今はまだしないし、できなかったら墓場まで持って行くしかありません。

◇はっきり言って、私が弱い人や恵まれない人に対して、「おまえらがおれたちのお荷物になってる」みたいなこという人間が一番嫌いで許せないのは、マジそこですね。
そんなこと言ってるあなたは、多分私なんかに対して、「おまえ恵まれてるから、もっとおれによこせ」と言ってきた人たちとまったく同類だと思うから。

誰かが自分のお荷物になってると平気で考えられる人なんて、自分が人のお荷物になってることなんか考えられない、考えたことない人なんですよ。恐いかバカかの、どっちかで。両方かもしれない、どっちでもいいけど。

◇自分の国の戦争犯罪に目をつぶって、そらして、いろんなことを言ったり考えたりしていたら、見える世界もゆがんで行くし、大きな流れを見失う。慰安婦像をいちいち目の敵にしてる戦いに、はっきり言って勝ち目はないし、何より国内の、自分の周囲のレイプやセクハラに鈍感にならざるを得ない。というか、それへの抗議も告発も、全部慰安婦像につながる日本への攻撃に見えてしまう。そうやって、毒素が全身に回って行くんだから、本当に危険です。

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カツジ猫