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沖ノ島と女人禁制。

◇沖ノ島の世界遺産登録関係での予算の使い方について、宗像市では次第に疑問の声が上がり始めています。すでに5億近い費用をかけており、住民はそのことをほとんど知らされていません。

私も加わった市民団体で、懇談会を開くよう要請を行っています。また、男女共同参画の委員会でも女人禁制について討論してほしいと申し入れました。

以下の資料は、まだ提出していない私のメモで、他の方々ともう少し整理して行く予定ですが、昨日立ち寄った近くのお店で、「福岡でいろんな文化的な催しに行くと、沖ノ島を世界遺産にというチラシがしょっちゅう配られている。当の地元の宗像では見たこともないものばかりで、何これとびっくりする。市民への広報は避けているとしか思えない」と聞いて、ちょっとあきれたので、それならと、こちらもとりあえず、広くよその皆さんにお知らせすることにします(笑)。どうぞ、拡散して下さい。

◇資料1 沖ノ島の世界遺産登録と女人禁制

 当面気にかかっている点について、以下にまとめています。検討される際のご参考にしていただければ幸いです。

1 市の「女人禁制」についての説明への疑問

①「女性の保護のためである」というが、江戸時代の紀行でも男性が「そんな理屈はおかしい」と言っているぐらいで、兵士・警察官・消防士等にも女性が採用されている現在、通用する論理ではない。

②「他にも女人禁制の世界遺産がある」というが、前例があるからというのは無条件に肯定する理由にはならない。更に国外の修道院はやや性質が異なるし、国内の大峰とともに認定されてからかなりの年数が経過している。その間、世界での性をめぐる認識や感覚は大きく変化しており、現時点で女人禁制を認めることは当時と同様の感覚では受け入れがたい状況になっている。

③「観光にはしない」「安易に人を入れない」というが、この点の確認が十分にできているとは言い難い。すでに明確な基準のないまま、多くの有名人や一般人の男性を招じ入れている。

2 確認しておきたい事項

①「女性だけが行けない場所がある」ということを、学校教育でどのように教えるのか。また男女共同参画との関係をどのように説明するのか。この点を十分に検討しておかないと、今後具体的な事例において、多くの混乱が生じるであろう。

②沖ノ島に関わるさまざまの職種や事業において、女性では制限があり男性のみの雇用が行われるという可能性がないのか、もしそのような事態が発生した場合、何らかの補償となる対応措置があり得るのか、確認しておくことが必要である。

③2014年8月3日イムズで行われたトークセッションで、講師のお一人藤原新也氏は「世界遺産には反対」との立場を示された上で、「女人禁制が問題になるだろうが、そういうのも西欧思想の押し付けで、自由・平等・民主主義というのも西欧の基準で、民主主義なんてろくなものではない」と明言された。そのような見解はもちろんあってよいが、出席しておられた市長はじめ市の担当者各位は、この発言をすべて共有されるのか。女人禁制を認めるということは民主主義を否定してよいという見解まで含むのか。この点を確認しておきたい。

3 今後の予想と対応について

①市は当初は女人禁制についてまったく伏せて報道し、最近でも十分な説明や広報を行っていない。このため世界遺産決定後に、市の内外からさまざまな抗議が寄せられることが予想されるし、対立も生まれるだろう。それに対する公式な見解や説明の準備はなされているのか。

②現在日本は世界的にも痴漢やレイプやセクハラに甘く、女性の権利を認めない国として知られつつあると聞く。国内でもその点において、抗議する人たちは男女を問わず増えている。そのような流れの中、女人禁制の世界遺産を認めれば、宗像市は「女性差別を発信する街」として国内外に知られる場所になりかねない。そうなった時の対策として、「女性に優しい街」「女性が住みやすい街」「女性の権利が認められる街」などの具体的な街づくりをしておく必要がある。

       2016年7月24日             板坂耀子

◇なお、詳しくは、書棚の「沖ノ島の世界遺産登録について」をごらん下さい。

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