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雨も悪くない。

◇自分で自分を餌づけしてしまったのかもしれないが、最近何を作ってもおかずがおいしく、毎回のごはんが楽しくてしかたがない。まあ超単純なものしか作ってないので、このおいしさは買って来てすぐ調理をするから、材料が新鮮なのが主な理由なんだろうと思う。
その中で、一昨日のしいたけのバタ炒めはあんまりぱっとしなかった。今日、スーパーでまたしいたけが安かったので、リベンジと思って一パック買って来た。

◇涼しいというより、ものすごく寒くて、夕方には車のエアコンを暖房にしたほどだった。しかしこれは天が与えた絶好のチャンスと思ったから、しゃかりきで、上の家の二階を片づけ、昔と同じように寝台で寝られるようにし、天井の灯りもちゃんと点くようにした。これで夜でも作業ができるし、寝台にころがって本も読める。下の家のクローゼットに匹敵する居心地のいい隠れ場所が、またひとつできた。というか、戻って来た。
二十年ほど前、私は愛猫キャラメルと、いつもここで寝ていたのだ。朝の光の中でキャラを抱きしめながら、こんな幸せがいつまでも続くわけないなあと、幸福すぎて悲しくなるほどだった。その時と同じランプが、同じように暖かい光を投げて、窓の外には夜の空がある。
手近な本棚の文庫本を適当につまみ食いしていたら、「渚にて」の旧訳の文庫本があった。キャラが病気になって死ぬころに私はこれを読んでいて、新訳も出ていて買っているが、やっぱりこちらの文章で覚えているので、なつかしい。

とは言え、まだまだ寝台の周囲は散らかっていて、これから毎日少しずつ、楽しみながら片づけないと。そして、下の家も何とかしないと、極限までに散らかって来ている。まあ今週中には何とかなるんじゃないだろうか。なるといいけど。

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カツジ猫