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黄金と水晶の国。

◇ちょっと風邪がぶり返しそうでやばい。でれでれとベッドで講談社の児童文学全集「ターザン物語」(3)を読んでしまう。シリーズ全体の五作めらしいが、ターザンが白人の紳士で貴族である一方、人間をさげすんでいて野生の暮らしを愛しているところが、ダイナミックで面白い。それにしても、未開人の巫女ラは、もうちょっときれいに挿絵で描いてやれよ(笑)。

宝石や美女やその他が、三者か四者が入り乱れる中、あっち行ったりこっち行ったりするのが、江戸時代の読本か歌舞伎もかくやで、ちょっと笑った。

◇お隣の垣根にまだゴーヤがなっていたので、ものほしそうにしていたら、三個も下さったばかりか、ナスビもちぎって下さった。それでもう何十年ぶりかで味噌汁を作った。おいしいとまでは言えないが、まあまあ食べられた。このごろ、食事の直前にさささと料理をするのに慣れて来た。

それにしてもだ、ちゃんと快く勉強をする快適な環境を作ろうとすると、できはするのだが、その維持で時間を取られ、そして息抜きの読書や片手間の勉強や趣味のエッセイなどを書いてると、これまた時間がとられてしまう。頭と心のトレーニングをしていると、専門の仕事に集中する余裕がないという、この奇妙な悪循環をどうしたらいいものかね。

人間として生きる、生活者としてきちんと暮らすということと、専門的な自分にしかできない勉強をするということは、もしかしたら両立できないのかもしれない。

◇カツジ猫は、ゆうべはどうしてか、ものすごく幸せそうに、私の腕の中ででれでれに溶けて寝こけていた。今朝はまたちょっと気むずかしくなって、エサの催促やえり好みをして通常運転に戻っていた。
こいつはときどき、自分はたしかに幸福だが、この世にはもっと素晴らしい幸福があるはずだという、いわれない不満感にとりつかれて、まだ見ぬ黄金と水晶の国を夢見ていらついてる気がする。甲斐性なしの男によくいるタイプだと、彼の辛口な批評家の、近所のお店のオーナーは言うだろう(笑)。

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カツジ猫