10.15学習会の私のあいさつ
宗像九条の会の前代表の板坂です。
ここ数年、体調が悪くて活動に参加できておらず、申し訳なく思っています。
しかし、現代表の谷本さんの専門的で正確な分析や情報を常に得ることができることは、この九条の会の大きな財産であり、とても心強く思っております。
同様に、小出弁護士や福地議員をはじめ、本日ここにおいでの方々は、いずれも地域のみならず、国や世界を支える貴重な存在であり、比べるのも失礼ですが、現内閣の閣僚より、はるかに優れた人格や見識を有する方々であると、私はまったく本気で考えております。
盛り沢山な内容の会になるでしょうから、簡単にひとつだけ申します。
世界がいろいろ大変な状況にある中、ネットなどではよく、「九条があるから国が守れると思っているのか」という、私たちへの攻撃が書きこまれます。それを読むたびに私は、どうしようもない、「ずれ」を感じます。おそらくここにおられる方々の中で、「九条があるから大丈夫」などと安心しておられる方は誰もいないでしょう。九条は、手軽で便利な、まかせて放っておけばいい、ボディーガードやセキュリティシステムとはちがいます。
「福田村事件」という、皆さんにも見ていただきたい、とてもいい映画があります。小さな村が舞台です。ここの村長さんは育ちのいいぼんぼんで、良心的な人ですが、それだけに限界があって、村の悲劇をくいとめることができません。けれど、私はこの人を責める気はしませんでした。この村長は民主主義にも、平和憲法にも見えました。守って、支える者がいなければ、いても少なければ、それは限りなく無力なのです。
九条も平和憲法も民主主義も、それがあるから安全なものではないし、私たちを守ってくれるものではありません。
それらは、ただ、あるだけです。私たちが全力で、守って、支えることで、それは、その役割を果たし、価値を発揮するのです。
私たちは、武器でなくことばで、力でなく心で、自分と、愛するものを、国を世界を、守って行かなければならないのです。そのために、九条が、平和憲法が、民主主義が必要で、だから、それを使うのです。守って、育てるのです。
物価高や環境破壊の中、今は時間も心の余裕も持つことが難しい時代です。けれど、どうか、自分をいたわり、他人と支え合って、私たちは、人間と自然と未来を守って行こうではありませんか。
2023年10月15日 板坂耀子
(赤線の部分は、後で補充しました。)