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さわやかな秋の日に

今日は「むなかた九条の会」の学習・討論集会でした。久しぶりに出席して来ました。
 何とも快い、さわやかな秋の日だったので、いろんな行事と重なってしまったようで、事務局がもくろんだほど人があつまらなかったのは残念でしたが(四十人ぐらいかな)、まっとうで、誠実で、熱意のこもった、充実した発言があいつぎ、何とも気持ちよかったです。窓からは、どこからともなく、キンモクセイの香りが流れ込んできていました。

ふくち議員や小出弁護士の、てらいのない、みずみずしい報告やまとめも、どういうか、実にいやしさがかけらもなくて、ごまかしや、カッコつけが全然なくて、ひたすらにまじめで誠実で、心を打たれたし、「十人の孫がいるので、このままでは徴兵制がはじまったときに、彼らに、『じいちゃんは何で反対してくれんかったと』と言われないために、がんばっている」と、緻密な自衛隊の人員不足の資料を調査して来られた八十一歳の男性や、「九州は今、築城、佐賀、大分など、軍拡の目標になっていて、とても危険な状態だ」と訴えられた女性など、フロアからの発言も皆どれも、切実で血の通うものばかりでした。

「九条の会」が設立されて二十一年になり、当時の最初の呼びかけ人でご存命なのは澤地久枝さんだけ、という話にも、そうなるかと、あらためて感無量でしたが、その全国の会に一年遅れて宗像で作られた「むなかた九条の会」も、最初の発起人で残っているのは私だけ、と紹介されて、ええっと驚きました。本当に、たくさんの人が参加して、亡くなり、バトンだかたいまつだかが、次々に渡されて来たのだと実感します。

私が特に楽しみにしていたのは、現代表(と私は思っていたけど、まだ私と「共同代表」になっているようです。笑)の谷本先生の報告で、いつもながら明確で豊富な内容でした。ちょっと豊富すぎて、皆には消化不良になるかもしれないですが、私には、とてもうれしいです。聞きほれて、充分にメモをとれなかったので、断片的に記憶に残るお言葉をいくつか。

「軍事力というものは、どれだけ持っていても、これで大丈夫、安全ということはない」

「警察や軍隊の力というのは、結局は気休めで、最大限に評価しても、トイレの芳香剤のようなものでしかない。悪臭を消すには水洗にするなり、ちがう方法が必要だ」

「軍事力では侵略はとめられないことは、いくつもの具体的な歴史が示している」

「民族自決の基本方針を世界が決めたとき、秘密外交の禁止も決められた。民族自決を肯定するなら小国の乱立は当然の前提で、大国の秘密外交が許されたら、小国はやっていけない」

「日本の植民地化がまぬがれたのは、資源がなかったからとか、列強から遠かったからとか、いくつかの要素はあるが、結局は、たまたまにすぎない」

「アフリカが植民地化されたのは軍事力のないせいではない。ズールー族のチャカ王などは強大な軍事力を築いていた。しかし彼は国家をきちんと作ることをしなかった。そもそも、大きな組織や国が軍事力を持つと、発言力はむしろ弱まる」

「パレスチナもウクライナも共通しているのは、大国政治に翻弄されたことだ。その結果、イスラエルは軍事力しか信用できなくなった」

「ロシアは昔からトラブルメーカーだったが、それをくいとめられなかったのは、欧米の秘密外交が問題だ。スウェーデン、デンマーク、イギリスなどの不仲などが、そういう秘密外交を生んだ」

「大国の近視眼的な外交が、戦争を起こす」

「マルクスも言っているが、国家が強力になればなるほど、その内部での意志の点検は困難になる」

などなどなど。

私も開会のあいさつで、手短に話をしたのですが、それは別に書きます。こちらをどうぞ。

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カツジ猫