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「水の王子」通信(89)

何とも憂鬱そうなイザナギです。髪の量までちょっと少ない(笑)。

でも、私のこの物語の中で、イザナギはこういう感じなんですね。
イザナギとイザナミは、言わずと知れた地上に降りた最初の男女神。たくさんの島々や神々を生んだ人たち。

タカマガハラにしてもこの二人にしても、私の中には「偉大な者は素朴である」って感覚がどこかにあって、それとつながるのかもしれませんが、私はこの二人をものすごく普通の夫婦にしたかった。それこそ、単身赴任先で仕事の成果はそれなりに上げ、子どもを生んだり失ったりして、結局離婚しちゃったみたいな。

この物語の中のイザナギは、多分まだとてもイザナミが好きです。むしろヒルコやハヤオはもちろん、他の子どもたちへの関心も薄い。その点ではイザナミと別れた時点で人生が止まっていて、だから自分のしたことやしなかったことを、きちんと見つめたり反省したり背負ったりもしていない。まーそんなんだから誰かさんにのっとられたりもするわけで(笑)。

イザナミが男性と、この世界への憎悪をイザナギにぶつけまくって、一方で女性たちの幸福をあまり気にしているわけでもないように、イザナギもその憎悪を受けとめるだけでせいいっぱいで、他は気にするヒマがなかったのかもしれません。

イザナギは、この物語の中では私にとって男性とか社会とかの象徴なのかもしれません。憎みもするし戦いもするけど、その限界と弱さもうすうすわかっているし、同情もしているし、基本的には好きでもあるし。危険で恐い面もあるから用心はしているけれど。

この物語以後は、イザナミと二人で、娘のアマテラスに世話してもらって、どこかの山奥で二人で幸せに静かに暮らしてくれたらいいなと思ったりしています。多分アマテラスは、この二人を最もよく理解してるし愛してもいる。だからこそ、彼女は強いし偉大なんだと思います。

最初はスセリを描くつもりだったけど、結局はイザナミにしてしまったイラストも、あらためて紹介しておきます。

どう見ても彼女の方が絶対強そうですけどね(笑)。

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カツジ猫