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いいよなあ。

◇DVDの「テンペスト」後半になるにしたがって、ネットでの評価がわりと低く「こんなのは演劇でやってくれ」と言われているのもさもあらんというようなところも多かったが、まあ映像は美しいし、醜い怪物たちにうんざりはしても、その分王子と王女は文句なしにきれいな人を使っているので、目は安らいだ(笑)。
王女ミランダ(ホークスの投手ではない)なんて最初はむしろ個性的な顔と思っていたが、あれだけ王子があなたは完璧、これまで会ったどんな女性とも比較にならない、などと連発すると(そりゃあの状況で見ればそうだろうというのはおいといて)、たしかに白い単純な衣装ではだしで髪も乱したままで走り回っていて、魅力も気品も失わないというのは、なかなかだよなと、つい納得する。

最後に、すべてを解決してこれでもうすることはないと、魔法の杖も書物も海に投げこむプロスペラを見て、ああ、いいなあ、うらやましいなあと心の底からため息をついた。裏切られ失脚し、生きのびて自らの王国を作り、美しい妖精と醜い怪物を支配してこき使って暮す日々は、なかなかやわなものではないが、さぞかし充実もしていたろう。
そして復讐と和解とを心行くまで完成させ、心の支えでなぐさめだった最愛の娘に輝かしい未来を与え、そして手放し、あとはもう死を待つだけ、みたいな、あの安らぎと空虚と充足。
あんな日が私にも来るだろうか。どう考えても無理っぽいなあ。

「シートン動物誌」(キツネの家族論)をちびちび読んでる。この本どうやらもう絶版で古本でも手に入りにくそう。全巻買っといて本当によかったなあ。装丁やなんかもすごく素敵だし。
ものすごい調査と研究の集大成なのにも舌を巻くが、今さら私がキツネの生態を真剣にきわめる必要もないから、適当に楽しんで読み流してる。それでも、しょっちゅう面白い記事にぶつかる。
キツネのしっぽは、異様にふさふさ大きいが、あれはちゃんと理由があるらしい。厳寒の地で野宿すると、むき出しの鼻づらや足裏が凍って傷つく心配があるのだが、彼らは寝る時、大きなしっぽで、鼻と足先をすっぽりおおってしまうのだそうな。つまり手袋はいらないんだな(笑)。

◇昨日、久しぶりに行きつけのパン屋さんに行ったら、日曜だからか、昼過ぎにはもうほとんどパンがなくて、クロワッサンとか必死で買い占めてきた。思いきり贅沢に、たくさんの種類から選ぶ楽しみを味わいたいから、今日もう一回リベンジに向かおうかな。新しい花も買いたいし。
あっ、鉢植えのトネリコが育ちすぎてたから、あれも地植えにしようかと思ってたのだった。

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カツジ猫