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ガンダムエースの発売日

「ガンダムエース」という雑誌に、富野由悠季監督が「教えてください。富野です」という対談を連載しておられる。26日に発売される12月号に、夏に私が対談させていただいた分が載るので、本屋に予約に行ったら、九州は27日に発売とのことで、ずっこけた。

しょうがないから、ネットの小さい画像で表紙をながめたら、12月号にはシャアの特集があるらしい。最初に就職した大学で学生たちとガンダムの話で盛り上がっていて、私もふくめて皆がシャアのことは好きだったので、ちょっとうれしい。(笑)

対談は相当話があっちこっちに拡散したのだが、まだ若い編集担当の方は、ものすごくうまくまとめてくれていて、ゲラを見たとき、舌をまいた。今の若い人たちというのは、絶対に私たちの若いころより優秀だと思う。

いっしょに食事をしている時の、これまた際限なく広がる雑談で、私が名前をあげる本を若い編集者が皆読んでいて、あろうことかモンゴメリの「夢の子供」まで知っていたのにも、うれしかったがびっくりした。平生、大学の授業で、「忠臣蔵のあらすじって、知らないよね~、説明します」とか言っていたのが夢のようだ。まあ、たしかに教育大でも読んでいる学生は、何であなたこんなのまでというような本まで読んではいたが、人と文学論や人生論をかわすとき、本のあらすじから説明する癖がついてしまっているからな~。

その食事のとき、「今の学生は、本を読んでなくても知らなくても、昔のように劣等感はなくて、まったく平気です」と私が言ったら、若いスタッフの一人が「そんなことありません!」とテーブルの向うの方から抗議した。「いや、私、それはいいことだと思ってるんですよ」と私は自分の話を続けてしまったのだが、あとになるほど、う~ん、あの反論はもっと詳しく聞きたかったなあと大魚をつり逃がしたように、もったいなくてしかたがない。

富野監督ご夫妻も、大らかでのびやかで、若々しくて細やかで、大変魅力的だったが、ああいう会話を若い方々とかわす楽しさを、久しぶりに味わった気がする。と言っても、もうその時から数カ月たっているのだが。

対談のページには私の写真も載っている。「なんか、ほら、これだと私、人畜無害に見えるよね?」と友人たちに見せて自慢すると、皆、微妙な顔になり、ゆきうさぎさんは、「まさか」と言った。

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カツジ猫