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ドラマ「シャーロック」のこととか。

◇私、かなり昔から、「何でワトスンとホームズは、あれだけ親しい友人なのに、ファーストネームで呼び合わない?」とふしぎでたまらず、英文学の先生に聞いたりして(はっきりした回答はいただけなかった)ずっと落ちつかない気持ちでいたので、この現代版ホームズはタイトルからして、なんかすっきり痛快です。
まあ何で原作ではそうじゃないのかは、いくつか理由を考えてくれているサイトやブログも見つけましたが、あんまりはっきりわかったわけじゃないけど、とにかく、こういうかたちででも解決つけてもらえたのが、ちょっとうれしい。

シャーロッキアンを名のるほどじゃまったくないけど、小学生のころから原作を愛読してて、文庫本もいろんな出版社のを読んでて、最初に読んだ本と文章はもちろん、ページうつりの行がちがっても「ん?」と気になるほどでした。でも、結局どれも好きでしたけど(笑)。「ソア橋」のトリックを見破って満足したのもなつかしい。

もう20年以上前、若い学生が「○○文庫のホームズは、ちょっとことばづかいが優しいっていうか女性っぽいんですよね」と楽しげに言ってたのもなつかしく思い出します。そんな熱心なファンがどこにでもいるので幸福な反面、そんなに好きでもなさそうなのに、相手や回りが知らないだろうと決めつけて知ったかぶりでしゃべる人がいると、「あーあ」と、ため息つきたくなって、くすぐったくなるのがちょっと困る(笑)。

◇ホームズなんて、読む人の数だけイメージがあるんでしょうから、「落ちついた英国紳士」というイメージの人がいても、それは全然かまわないんだけど、私はこれまた昔から、映画やドラマで描かれるホームズがどれもこれも、えらくまともでおとなしいのにとまどって、「そんな人だった?」と違和感があり、だから、これまで海外ドラマとかでもまったく食指が動かず、見ていません。
最近の映画のはちゃめちゃなホームズを見て、「まだ、これの方がずっと原作に近い」と思ってました。

なので、今回のドラマは、現代版に名を借りて(笑)、私が知ってる(と言ってしまう)ホームズを、初めて完全に描いてくれた!と有頂天になってます。
でも私まだDVDでシーズン1しか見てないんだよなー。シーズン2もなかなかの出来らしいし、早くDVDになってくれー。

◇書きたいことは山ほど、はてしなくあるんですが、ちょっと以下ネタばれで、みょーなことにこだわりますが、あの悪の権化のモリアーティね。

あ、以下ほんっとに完全ネタばれ、ご注意を。

この大悪人を一見たよりないぐらいの若者にしたのは、このシャーロックとジョン(ワトスン)にもつりあうし、俳優さんの名演技もあって、大いに楽しめるんですが、それとはまったくちがう次元で私がいらっとしたのはですねー。

シャーロックが(まあ原作のホームズもそうだけど)「諮問探偵」「コンサルタント探偵」なのに対して、モリアーティは「諮問犯罪者」「コンサルタント犯罪者」なんですよね。いろんな人の依頼を聞いて、国外逃亡やら贋作売買やら殺人やらを、組織を使って請け負ってる。
原作の彼も、まあそんなことしてたようだから(「恐怖の谷」とか、もろ、そうだし)、わかりやすい設定でいいと思うんですが、それとは別に私がイラーっとしたのはさ(モリアーティにだよ、俳優や脚本にじゃないぞ)…こいつ、シャーロックに「謎とかなきゃ、人質を殺す」と脅迫して、いろんな事件の謎を解かせる、まあそうやって、宿命のライバルとやらのシャーロックに挑戦してくるわけだけど、そのときの謎解きに出す問題って、自分が請け負って殺したり逃がしたりした、そういう事件ばっかりなんだよなー、基本的に。
それって、どうなの、と私は、くりかえし見ている内に、妙にもう、やたらめったら気になってきた。(つづきます)

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カツジ猫