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ドラマ「シャーロック」関係ムダ話。

◇キャラママさん。
でもさ、それはそう思わせる(←君のことは全部理解してる←げえ、書いただけで気持悪くてゾクゾクするなー)ことを相手に許さない、ホームズ側の力もあると思うけどなー。

「この人、私と同じ」「昔と変わってない」と思わせるキャラママさんや私の能力も、そりゃそれで使い道は多いけどね(笑)。

私の場合、ちょっとでもほんとに親しくなった人は「あんたってわからん」「予測不可能」「得体が知れん」とか必ず言うからなー。つきあいが何とか続いてるのって、ほんと、そーゆー人ばっかり。

◇「シャーロック」にはまって、原作を読み直して(新潮文庫のが活字がでかくて、読みやすいので、これでそろえてます)ホームズものは読み直しちゃったんで、ドイルの他の作品集でも読むかなーなんて思ってます。

それにしても原作を読み直して、あらためて思うけど、これってボーイズラブだかゲイだか腐女子だか、私はもう今やそういうのの微妙なちがいもわからんのだけど、だから私も含めてと言うのがどこまであたってるのかも知らんけど、そういう、男二人の話が好きな人には、こたえられない名場面の宝庫だよなー。出会いから、共同生活から日常の描写から冒険から、やおい小説が必死で書くことが全部さらさら、ごくもう普通に、てんこ盛り。

昔、キャラママさんも私もサマセット・モームがけっこう好きでさ、あの人なんかもろ保守的で常識的で安定しまくりの人に見えて、「こういう作家が好きだってことは、私たちもフツーの人の面は持ってるんだよねー」と何となく安心してたところが、最近モームも同性愛者だとわかって、まあそれが平気で公表される世の中になったってことでしょうけど、うれしいとかイヤだとかいう以前に、ひぇーと頭を抱えたもんでした。「まとも」の証明にしてたはずが、「やっぱり、どっかそういうとこが好きだったのか」と言われかねない話になって、まあ、これも変な安心しようとしてたバチがあたったんだろうと思うっきゃないか(笑)。

で、まさかと思いつつ超恐いのは、ドイルも実は同性愛者だったなんて話が今ごろ出てきたりはしないよねー、まさか(笑)。別にいいんだけどさ。

◇どっちみち、これだけ同性愛が普通になった現代で、ドラマの制作者たちはものすごく楽しんで、自由自在にそれを利用してるよね。ワトスンのお姉さんとか、あちこちで二人が恋人あつかいされるのとか、彼ら自身が自分たちの関係を確認しあうのとか。

私がこのドラマで、つくづく感心し、うれしいのは、制作側にゲイの人がいるかどうかに関係なく(いたって、つまらん人なら逆に意識して、変にゆがんだこけ方しそうだから、いるかどうかは関係ない。ゲイの人でもそうでない人でも、ホームズの話を深く愛して、自分の仕事と生活と愛も深く愛している人にしか、こんなドラマは作れない)、シャーロックたち二人の関係を描くのに、同性愛的な話を警戒しびびって避けるのではなく、変にしょうもない冗談で浮かれるのでもなく、かと言って妙に同性愛を弁護したり宣伝したりするのでもなく、ものすごく、まともに自然に、しかも軽やかな冗談めかして、同性愛と見られそうな二人の関係を、おちょくりながら、楽しくもてあそんでることです。

そして、これがもう、何よりも頭が下がるのはねー、そういう同性愛ネタで冗談にしながら、そのことを利用して、原作にあった、そして長い間、多くの読者を魅了しつづけた、二人の友情を逆に強烈に描き出しているのね。このドラマは。
あれだけ、吹き出してしまうような無茶なおふざけを、大真面目にやりながら、それをそのまま、同性愛でもちがっても何でもいいと思うぐらい、そんなことどうでもよくなる深い心の通い合いを描いてしまう。

あ、長くなったから、わけます。

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カツジ猫