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何ですと。

◇「週刊新潮」と「週刊文春」が、首相の悪口を書いた記事を載せてるようですね。それもでかでかと。
文春は「安部首相よ、国民をバカにするな!」、「新潮」は「心に響かない安保法制 幼い独演と野次と重箱の隅」とか。まあ中身を読んでみないと何とも言えませんが。

以前、猫も杓子も小泉首相を持ち上げてほめそやして、私はうんざりしてしばらく新聞も週刊誌もろくに見ないでいて、ある日ふと気がつくと、週刊誌が皆、小泉さんをけちょんけちょんにけなしていて、いつこうなったんだと唖然としたのですが、そろそろ今の首相も見切り時だと、誰かが判断したのでしょうかね。
それとも、今から悪口書いても、強行採決はできるだろうって読みなのかしら。

◇どこかで読んだのでは、強行採決の日は19日だろうということで、首相がアメリカ議会で「夏までには安保法案をちゃんと整備する」とぬかしてきた、それに間に合わせるためには、これがぎりぎりの日付だからだって。あいた口がふさがらないよ。アメリカからの押しつけ憲法だからいかんとか、よくもまあ言えるよ。頭の中がどうなってるのか、こっちが心配になってくる。

◇ところで国会で三人の憲法学者の重鎮が、皆、「安保法案は違憲です」と述べた件ですが、三人の中の一人の小林節さん、この人、改憲論者なのに、今は「九条の会」関係の講演にも「赤旗」にも出ずっぱりで、現政権のすることを批判しまくってる、筋金入りの方で、そりゃいずれは私たちと論戦をすることになるのかもしれないけど、でも、この方のこういう身の処し方を見ていると実に救われます。東北の震災と原発事故のとことん救いのない中で、「犬猫みなしご救援隊」と中谷代表の存在を知ったことが、唯一と言っていいほどの救いだったと同様に、この言葉や思想が無責任にたれながされる中、こういう姿勢を明確にとれる学者の存在を知ったことは、やっぱりとても収穫です。

しかし、この方、講演がめちゃくちゃ面白いと、聞いた誰かが言ってたのですが、国会での答弁を読んでみると、たしかに思わず吹き出しました。志位さんも指摘した、「後方支援が戦闘行為でないとか安全だとか、とんでもない嘘で、アメリカの海兵隊も明確に『兵站』として重要な戦闘行為と明記している。もちろん、非常に危険な任務」という件ですが、それについて小林教授は、こう言ってるようですよ。

小林節教授「兵站なしに戦争はできません。長谷部先生(いっしょに国会に呼ばれた、自民党推薦の憲法学者)が銀行強盗をし、私が車で送迎した時、私だけは銀行強盗をしてませんとは言えないですよね。一緒に強盗したことになる。そういう意味では露骨な戦争法案です」

わかりやすすぎるよね。それから、これも笑った。

「後方支援は特殊な概念だ。前から参戦しないだけで戦場に参戦するということだ。言葉の遊びをしないでほしい。恥ずかしい」

前から参戦しないだけで、だって(笑)。
でも、こういう言い方の中に、ものすごい怒りがこめられているのも感じるなあ。

◇後方支援のインチキばっかりが話題になってるけど、私は、「日本の国益をそこなう」だっけ、そういう場合は首相の判断で参戦できるっていうのも、たいがい人をバカにした言い方だって思うのよね。んなこと言うなら、北極でクマが失恋しようが、カラハリ砂漠でイナゴが飛ぼうが、太平洋のヨットの上でカップルがキスしようが、パリの娼婦がつけまつげの色を変えようが、それが日本の安全をおびやかしたり国益をそこなったりする可能性なんか、いくらでも考えられるしこじつけられる。何をもう、とぼけたことを言ってるの。こんなどうとでもできるものを、権力持つ人の手にゆだねちゃいかんですよ。何とかに刃物どころじゃないわ。

◇田舎の実家の片づけは、あと数日で終わるのですが、最後の最後のがらくたの中から、私の小さいころの積木や、ままごと道具のブリキのかまどなどが出てきて、感無量です(笑)。赤や緑の積木の中に、端っこが赤い黄色のがあって、私はこれが特別に好きだったなあと、その時の気分をはっきりと思い出せるのも恐いです。

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カツジ猫