加害者と被害者
ガザでのイスラエル?の食料配布のやり方にアホじゃないかと少し前に悪口を書いたが、別にアホではなかったらしい。ニュースでは配布に集まった人たちにイスラエル兵が発砲して殺しているそうな。もしこれが本当なら、食料をエサに飢えた人たちをおびきよせて殺すつもりもあったんだろうと思われたってしかたがない。それとも配布がうまく行かないからイラついたんだろうか。どっちにしたってバカだけど。
ホロコーストの加害者のトラウマがあってイスラエルになかなか厳しい姿勢をとれずにいたらしいドイツがついに強い批判をしたとかいう報道も見た。最近ちゃんとニュースを見るヒマがなかなかなくて、細かいことは知らないけど。
私はと言えば、これまで憲法変えようだの戦争できる国にしようとかいう人たちが、二言目には中国が攻めてくるとかほざくのを、前の戦争であれだけ中国で殺戮を行っておいてよくまあそういうこと言うわ、韓国も北朝鮮も中国も被害者で日本は完全な加害者の戦争犯罪人だってことを、じっくりしっかりかみしめた上での発言だろうなそれはと、いつも苦々しく思っていた。言っとくが、それは今でもまったく変わっていない。
ただ、あれだけナチスドイツにひどいことされてホロコーストを味わったイスラエルが、平気で今はパレスチナに同じようなこと、それ以上かもしれないことを、いけしゃあしゃあとしているのを、ここまでまざまざ見せられると、被害者が常に正しいと思って加害者が反省しすぎると、それはそれでとんでもないことになると思い始めて、まったくのとばっちりかもしれないが、「日本にあれだけ被害をうけて、だからもうそんなことは自分たちはしないはず」と思っていた中国への信頼が、どんどん薄れて行く。憲法は変えたくない、軍備も持ちたくない、しかし中国や韓国や北朝鮮はやっぱり警戒して見守らなければならないという風に、最近発想が変わって来た。それを言うならロシア(旧ソ連)は市民や兵士の戦死者がたしか他国のどこよりもけたちがいに多く、それだけ平和への希求も強い国という印象があったし、実際そういう国だったとも思うのだが、それがこれまた、あのていたらくだから、もうつくづく「加害者が反省するのは正しいが、被害者をつけあがらせてはそれもまずいのではないか」という、かなりヤバい一般論にまでつながりそうで腹が立つし、びびる。
そんな中、アンネ・フランクの子孫か一族かが、イスラエルを批判する声明をしたというニュースもどこかで読んで、救われた。そんな人もたくさんいるのだろうとも思う。
とは言え、戦後は一貫して共産党や社民党(社会党)しか支持して来なかった私の母が、いつか突然イスラエルを批判して、「あんた、ヒトラーはやっぱり正しかったんじゃないかね」と言って私を驚かせたのは、彼女なりの先見の明だったのか。まだ今みたいなことは全然起こっていない何十年も前のことだったのに。あきれすぎた私は理由をちゃんと聞かなかったが、母には何か野生の勘みたいなのがあったのかもしれない。
写真はまた庭に咲いた、ウサギの耳タイプのバラ。耳が三つになってるから、もうウサギではありませんけど(笑)。