岸田首相の奇妙な武器
先日、この状態の世界で、トランプとアベをやめさせておいたのは、せめてよかったと書き、バイデン大統領を支持するとも書いたけど、岸田首相はそれじゃどうかと言うと、最近何となく感じていることを、ことのついでに書いておく。
ラジオのニュースや国会中継を聞いていると、しばしば奇妙な現象が起こる。私は岸田首相はそもそもの当初から「アベに比べりゃずっとまし」と思っていたが、これはかねがね私は「猫のたま駅長でもアベよりはずっとまし」と公言していたのだから、評価というほどのものではない。多分、河野氏や橋下氏がなっていたよりもずっとましとは言えるだろうが、それにしても大した評価ではない。そもそもほとんど彼については知らなかった。
ただ、最初に自衛隊の儀式で「敵に対する先制攻撃」もありと口走った時にこれは気をつけないとと思った以降は、めだって危険や不快を感じることがほとんどない。政治家としてとか首相としてとかいう以前に、普通の人間として社会人として、礼儀作法と常識を守った応対をするから(アベや橋下にはこの点が致命的に欠除している)、言ってみればストレスがない。それは大いに助かるところだ。
ただ、それが過大評価と油断につながりそうなのが恐い。
特に最近私が自分自身に感じている徴候は、たとえば改憲とか核武装とか、ろくでもないことに対して、岸田氏が発言や回答やして、それが一定肯定的で前向きのものであっても「ああ、どうせ型通りで本気じゃないんだろ。そのくらい言っとかないとタカ派やネトウヨの支持を失うからごまかして、そのまま店ざらしにして放置するんだろ。一応宏池会なんだし」と妙に期待半分の安心をして、危機感が生まれないことだ。
その一方で、労働者の待遇改善とか人権問題とか、こっちががんばってほしいことに、いつものように型通りを一歩も出ない消極的な対応や回答をしても「まあきっとやる気はあるんだろうし、少しずつはやるんだろうけど、あまり積極的な姿勢を見せると党内や閣内の反対派がうるさいんだろうから、これが限界かな」と大目に見て、容認してしまう。
どっちもはっきりした見解ではなく、微妙な気分の問題にすぎない。それでも多分何の根拠もない安心を私は与えられている。自分に都合よく解釈しているだけで、とても好意的に見てしまっている。詐欺師や不誠実な恋人にひっかかる時は、きっとこういう気分なんだろう。
もしかしたら、私とまったく反対の立場、すなわち改憲や核武装を願い、人権や労働者の待遇改善や減税や夫婦別姓にとことん敵対感情を抱いている人も、岸田氏の発言からまったく同じ印象を受けているのじゃあるまいか。自分の反対してることには「一応言ってるだけで本気じゃないよな」と安心して手をゆるめ、自分の賛成してることには「やる気はあるけど、そうはっきり言えないだけだろう」と期待して信頼してしまう。
岸田氏の本意や意識がどのあたりにあるのか、私にはいまだに全然わからない。ただ、慎重で常識的で、過度な攻撃や不必要な敵意をいっさい含まない、社会人としての礼儀作法を守った対応だけで、これだけの点数をかせいでいるのだとしたら、これは、ここまで生き残ってきた岸田氏の最大最高の武器なのかもしれない。菅首相や福田首相などと比べても、そのたかが声と口調の穏やかさと温厚さは、内容以前に人を警戒させないし、下手したら慰撫して信頼させる。
もちろん私が今の所信頼し期待している、共産党の志位氏や小池氏、沖縄の玉城知事などは、常日頃からこのような態度と声と口調だし、その上しっかり内容もあり意図も明確である。だから、このような武器は何も岸田氏の専有ではないし、もしかしたら、私と反対の立場の人の好みにはあわず、必ずしも私と同じ好意的な反応は起こらないかもしれない。そのへんのことも私にはまったくわからなくて、知ろうにも聞こうにも、身近にそういう傾向の人がいないから手がかりがない。いやー、手広くつきあっているつもりでも、こういう時には交友範囲の狭さが悔やまれるわい(笑)。
残念ながら岸田首相に対しては、この程度しか言うことがないので、いきなり低次元な話題にワープして、しょうもない話をいろいろと。
体調はまだいまいちだし、コロナも恐いのだが、最近外食の習慣が復活して、なじみの店でおいしいランチを食べるのが、なかなかやめられない。リフレッシュにもなるからいいけど、経済的にどうなんだろ。
いつも食材を買いに行く、スーパーというかショッピングモールの洋服屋さん(けっこうたくさん、いろんな店が並んでる)に、安くてきれいな服の数々があるのを数年前から買いたくてたまらなかった。私の手持ちの服は皆、金持ちの叔母がくれたり残したり、自分が勤めていた個人的なバブル期に買いこんだりしたものばかりで、流行はないし品物はいいし着心地も最高なのだが、いかんせん手洗いができなくてクリーニング代がばか高くつくし、コロナでひきこもりの状態ではほとんどが使えない。
これまた去年から体調を崩して大幅にやせた結果、新しい服を補充する必要も少し生まれて、初めてそろそろおっかなびっくり、その安い服をいくつか買って、めちゃくちゃ重宝している。じゃんじゃん洗えるし、今の安い服ってほんとに色もデザインもセンスがいいんだよねー。多分、上等の高い服は全部手放して、こういうのをとっかえひっかえ着ている方が晩年にはずっといい。体調をこわす数年前から、もうそういう誘惑にかられていたんだけど、まあ急ぐことではないが、そういう方向に方針転換するとしたら、そっちの未来もけっこう明るいなあ。
お金がなくて、ほしいものが何も買えないし、でもそろそろ専門分野の学術書もほしいのがたまってるし、欲求不満で、せめてストレス解消に、近くのおしゃれな文具店で、500円のかわいいお団子のかたちの箸置きを一個だけ買った。写真をアップしたいとこだけど、Googleフォトがまだ復活しない。
ちなみに今まで使ってたのはこれ。これもかわいいし、お気に入りなんだけど。
「ハワイファイブオー」のDVD、注文していた第三シーズンが届いた。一気に全巻買う余裕がなくて、レンタル落ちの安いのでちびちび揃えて行ってるんだけど、今のところは画質も音響も皆ばっちりではずれがなくて、気をよくしている。
どうしてなのか、レンタルで見ていたときもそうだったのだが、このシリーズは設定がいつも日本語吹き替え版になってる。昔は私も英語版(字幕版)に切り替えて見ていたのだが、最近はもう吹き替え版で楽しんでしまう。だが、最後にはまた字幕版にして、ついでに字幕も英語にしたらヒヤリングの練習にいいかもと思ったりするのだが、いつもその頃、次のシリーズが届いちゃうのだよね(笑)。
こういう風にばたばた忙しい時に、実は一番頭に来てるのが、猫にもわけてやるために、わりといつも買っている、上等のさしみのパック包装だ。
ずっと以前にペットボトル類の開けにくさをぐちったことがあったが、あれは私の体力が落ちてるせいだという自覚もあった。それでもいよいよの高齢者にあの固さはきついと思う。それにもまして今とことんムカついてるのは、いろんなパックの開けにくさだ。店によってもちがうのだが、ラップがすごくはがしにくく、急な作業の時にマジでいらつく。
そもそも私は調味料は自分のを使うし、ツマも別にいらないから、しょうゆだの何だのがごちゃごちゃついてるのも嫌なのだが、まあそれは便利だという人もいるだろうから目をつぶるとして、変な紅葉やなんかのビニール飾り類はほんとにやめてほしい。何でもあれの生産で成り立ってる町もあるらしいから、しょうがないかもしれないが。
そして私が行く店の一つでは、最近そのツマや調味料をセロテープで皿に貼り付け始めて、ますます処理に手間がかかるようになった。どういうメリットがあるのか、まさか自分らの作業のために便利だからじゃあるまいな。
猫の餌の開けにくさや洗いにくさについても何度か文句を言ったけど、いったいメーカーだの店だのは、自分ちの商品使って家事をしたことがあるのかよ。過度なパックや添加物が、どんだけ忙しい作業の手間を増やすかを実感してみてほしい。そしてまた、こんだけぐちゃぐちゃいらんパックや何かでプラスティックを使いまくってる一方で、レジ袋を有料化して何かやってる気分になってる政治家のピント外れな生活感のなさにも、毎回頭に血がのぼるのよね。血圧が上がるわけだわ。
ちなみに最後に書いとくと、以前に私の電子書籍「イライラもいろいろ」を読んで下さった方が「よくそんなにいろいろなことにイライラできますねえ」と感心されたが、何をかくそう、その方って、多分私に対してだけじゃなく、日常の常住坐臥で、たいがい周囲をイライラさせてる人ではあった。イライラしない人って、時に回りのイライラの原因になってることもよくあります。やめろと言っても無理でしょうけど自覚ぐらいはしといて下さい。いやいやだんだん書くことが過激になって行きそうなんで、今朝はもう、このへんで。