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「レッド・リターンズ」と「かぐや姫の物語」の感想。

◇ポール・ウォーカーって俳優さんが事故死したってニュースを見たけど、この人、ハリウッド版の「南極物語」で主役やった人だよね? 映画としては私は日本の「南極物語」の方がずっと好きだけど、ハリウッド版もあれはあれで、のどかでよくって、主役の彼もあの役に似合ってていいなと思ってたんだけど。残念というか、淋しいです。

◇30日の九条の会の集まりに出たあと、「レッド・リターンズ」と、「かぐや姫の物語」をハシゴして二本見てきました。
「レッド」は、あいかわらず絶対死なないブルース・ウィリスが気軽に楽しめるし、ヘレン・ミレンはいろいろめちゃくちゃカッコいいし、「デスパレートな妻たち」のどのシリーズかで悪役になる人が、堂々とここでもすごい悪役してて、わー、出世したやんかあんたと思ったり、まあ、なかなか面白かったのですが、あいもかわらず、もうハリウッド映画の原水爆や核兵器に関する感覚には、わたしゃもう、ついて行けんわ。

冷蔵庫に入って核爆発から身を守るだの、放射能を除去するガスで汚染地域に入るだの、もう脱力するのにも慣れたけど、今回のはそれだけじゃなくて、どういうか、遠近感つうか、重大さや危険度がもうさっぱりわからんのね、どのくらいのもんか。

公開されたばっかりだからネタばれは一応さけるけどさ、世界を滅亡させかねない、30年以上封印されて来た武器だか計画だかが、いまどきそのへんのテロリストのにーちゃんでも作りそうな、ちゃっちい装置なのはまあいいとして、一見そう見えてもものすごい破壊力があるのかもしれんって思っとけばいいことにして、でもせっかくそう思って協力してやってたら、ラストでは、まあこういう映画だからすべては無事に終わってハッピーエンドになるってことぐらいはネタばれにもなんないだろうけど、そういうラストで、その恐ろしい世界破壊装置は、なんかこう、感覚としちゃ、しゅううとしぼんでダイナマイトに毛が生えたようなものになってしまった感じなんですけど。

まー、今の日本の政府や財界や電力会社の原発や放射能に対する感覚のえーかげんさと似てないこともないから、こんなのをバカにしてる場合じゃないのかもしれんけど、それにしたって、ちょっともうなあ。

◇「かぐや姫の物語」の方は、よくできてましたよ。「火垂るの墓」でもそうだったけど、この監督は文芸大作っぽすぎて、ちょっと途中だれるのが心配でしたけど、今回はぎりぎりそれはなかった。けどやっぱり重厚で長編小説なみの深刻さで、それをあの淡彩の美しい絵でさわさわと語って行くのが、もうなかなか。
現代にもまったく通じる女性の生き方のやりきれない息苦しさ、拒絶してひきこもることでしか、自分を守れない絶望、そして、そういうものから「逃れたい」と願ったとたん、とりかえしがつかない逃げ道が用意されてしまう悲劇…すべてがたゆたうように流れるように自然で、何とも恐くて悲しい現実が、するするとのみこめて伝わってくる。

これ、話が普遍的なのと現代的なのと、絵柄があんなですから、日本以上に外国の人に大うけするのじゃないかなあ。
それにしても、一種のステイタスとして扱われそうな帝を、あれだけ等身大にしょーもない男に描いたのは、みごとというか、笑いました。だからこそ、かわいかったですよ、ヒュー・グラント(が演ずる男)みたようにカルイあの帝(笑)。

◇「プロジェクト・ランウェイ」のシリーズ1を見てしまって、つづきをとりよせてもらおうとツタヤに行ったらば、シリーズ2の1と5は倉庫に入ってるとかで見られないんだって。何じゃそれ。とりあえず、見られるやつだけとりよせてもらうことにしました。
でも、シリーズ1は、ぜったい製作者の意図にのせられてるのはわかってるんだけど、やっぱウェンディがキライで困ってます。彼女がいろんな画策をするからではないよ。それを全部、人に知られて嫌われるっていう、その間抜けさがキライなんだよなー。やるからには、もっとうまくやんなくちゃ。人の心をもてあそぶのは別にいいんだけど、ぶっといしっぽが見えちゃうような、幼稚な画策はほんと下手な縫製のドレス見るみたいで、こっちの目が腐りそうな気がするのさ。

◇キャラママさん。
ねとうよカツジ君は元気ですか。今度かんづめを持って遊びに行くとお伝え下さい。

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カツジ猫