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あいかわらずの毎日で

◎学会は何とか無事に終わり(と言っても私は発表を聞いていただけですが、)いろんな人とも会えて楽しかったです。

昼食のとき、たまたま関西方面の私より少し(かなり)若い二人の女性の先生といっしょになって、三人とも授業で学生から「もっとゆっくりしゃべって下さい」と注文をつけられるという話になり、一人が「私ら、授業45分でええと思わん? 絶対、人の三倍はしゃべってるで、同じ90分でも」と言って、皆でそうそうとうなずきました。(笑)

研究発表は、どれも昔と比べると聞き手を意識して、実に聞きやすくわかりやすくなっていて感心しましたが、若い人たちは限られた時間で成果を出さなくてはならない事情からか、非常にムダがないというかあとのないまとめ方をしている感じの発表も多くて、少し気の毒な気もしました。

◎帰りに本屋で田口ランディの新刊「サンカーラ」を買って、一気に読んでしまいました。この人や雨宮処凛さんの存在は、私をほっとさせます。勇敢でごまかさず、信頼できると言ったらいいのか。社会や世界と向き合い、抱きあいながら、生きていっているというのか。私の生き方など、比べ物にもなりませんが、自分は孤独ではないし、孤独になってはならない、人を拒絶したり世界に絶望したり語ることをやめたり閉じこもってはならないと、そんな気持ちになれます。

私はもともと無口な人間ですが、最近は特に無口になりました。そう言ったら私の周囲の誰もが、あきれてひっくりかえるでしょうが、誰に対してもほとんど、のべつまくなしにしゃべっていて、それを楽しんでもいて、でも下手したら一年以上、何ひとつ自分の考えや本心をしゃべっていないということが、昔から私はよくあります。

とりわけ、年に数回、本心に近い本音をしゃべった時に、軽く扱われたり逆切れされたり無視されたりすると、私はその相手に対しては二度と真剣な話はしないし、快いおしゃべりしかしなくなるので、相手には妙に好かれたりしますが、そういう時ほど孤独は深まって、ああ死ぬまでは長いなあ、ヒマだなあと思ったりします。(笑)
田口さんや雨宮さんの文章を見ていると、そういうことではいかんだろうなやっぱり、とあらためて思ったりします。

◎さて、明日も明後日も忙しく、ここを乗り切れば少しは息がつけるはずなのですが、とにかく今夜は早く寝よう、って、もうこんな時間なのか。

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カツジ猫