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いちご畑。

◇昨日にひきつづきバテていて、朝もうろうと洗濯物を干しに行ったら、お隣の方から「北海道が大変みたいですね」と言われて、「はあ?」と言うしかなかった私。地震と聞いて驚いた。
何だかもう、全国どこにも逃げ場がない気がして来る。北海道には知り合いもいるので心配である。

◇そして夕方、まだぼんやりと洗濯物を片づけて、上の家の猫たちの世話をしに行ったら、チャイムが鳴るので出てみたら、お隣の奥さまで、「あの、カツジ君が庭に」だって。

ええっと、半信半疑で飛び出したら、ご主人が、「さっき、塀のところにいて、あれと思って、カツジくんと呼んだら、うちの庭に来て、歩き回っていた。今もそのあたりに」とのこと。

見たら、お隣の玄関の横にある植込みの花の中に、カツジ猫の灰色の見慣れた姿が。「おいで、カツジ」と声をかけたら、のそっと出て来て、あっけなくつかまった。

どこから出たんだろう、と三人で首をひねったが、わからない。多分、私が洗濯物を入れたりしている間に、開いたドアからするんと脱け出したんだろう。
もう、本当によかった。遠くに行っていなくなって帰って来なかったりしたら…いやもう、いろんな意味で、考えたくもない(笑)。

◇さっきから、またぽつぽつと雨が降りはじめた。
涼しくてちょうどいいから、ぬれながら、上の家の玄関わきの、勝手につるが広がった、いちごの間の雑草を取る。うまく行けばここはこのまま、いちご畑にならないだろうか。

◇米澤穂信「満願」を一気読みし、「アンクル・トムの小屋」を読み終えた。
「満願」は、この作者のいつもの清潔な陰惨さを堪能した。ひーとおののきながら、癖になる。
「アンクル・トム」の方は、内容をほぼ全部覚えていたのに自分でびっくりした。多分、それだけよくできているのだ。エンターテインメントとして最高なくらい、めりはりのつけ方がうまくて退屈させない。

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カツジ猫