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いるんですねえ

◇先日、何人かで飲んでるとき、ちょっと口がすべって、「面と向かって『あなたって面白い人』って他人にいう人に限って、あんたにだけは言われたくないっていうような、おかしな人が多いのはなぜでしょう。第一そういうこと相手に直接言うのなんて、たいがい失礼だしバカっぽくないですか」と言ってしまった。そのついでに、「あの人は賢いとか頭がいいとか人のことをほめるのも、何か失礼な気がする。相手の賢さや偉さがわかるっていうのは、自分がそれ以上に賢くて偉いんでなきゃ無理でしょうし、結局上から目線じゃないの」と言って、また皆を動揺させたような気がする。

「でも、自分には絶対かなわない、自分にはできないことをする人に対して、すごい、えらい、と言いたくなるのはしかたがないんじゃ」と反論した人もいたので、「え、自分にできないことができる人は皆偉いなんて、それ単に自分がおかしいだけで、相手は普通かもしれないって思わないですかね」とますます過激なことを言ってしまった。

◇後半はとにかく、前半は普通にやっぱり失礼な言い方だろうと、昨日つい、仕事の合間にネットで検索かけてみたら、あれー、「おもしろい人」と言われたらうれしいとか、ほめ言葉だと思ってるって人、かなりいるんだ世間には。
えー、絶対におかしいよ。お笑い芸人でもない普通の人に向かって、「あなたって面白い」なんて言うのは。家族や恋人ならまだともかく、そんなに親しくもない相手に。

百歩ゆずってほめ言葉としても、これって一種のセクハラじゃない? いきなり目がきれいですねとか胸が大きいですねとか、そんなに親しくもない相手から言われたら引くでしょう普通。私には、それと同じ感覚です。

◇仕事に邁進したいのに、どうせ明日の会議で中断されるのがわかっているから、今夜はだらだら過ごしている。もう本当に、こんなのいやだいやだいやだ。

幸い、昨日から見ているDVDの「マルクス・エンゲルス」が、なかなかいい。言わずと知れた共産主義の大御所二人の若い日々だが、二人の出会いや友情が、とてもみずみずしく描かれている。初対面の時に警戒しあいながら、互いの論文の感想を言い合ってほめあう場面なんて、ボーイズラブもどきに色っぽかった(笑)。

労働者階級の悲惨さとか、今の状況と通じるところもあって全然古さを感じさせない。プルードンとかバクーニンとか、同時代のおなじみの思想家が、生身の俳優で次々登場するのも何だかすごく興奮する。
そして、貧しい人たちの生活とかを描いても、常に画面がとてもきれいだ。
不自然な美化ではない。ちゃんと描いてるけど、変にどろどろしてなくて、すっきりしている。多分意識して。そして、マルクスの妻のイェンニ―とかもそうだが、誰もがわざとらしくも大げさでもなく、まっすぐですっきりと知性的で清らかだ。若い、希望に満ちた革命家たちの志が、そのまま画面に反映しているようだ。
純然と、面白いなあと魅せられた。こんな映像の作り方。ネットで感想見たい気もするけど、きっとまた見当違いな意見ばっかりで腹が立つだろうから見ないどこ(笑)。

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カツジ猫