ちとめげる。
◇さっき、冷蔵庫に安かったハマチの切り身があったのを思い出して、お刺身にして、きゅうりとみょうがの刻んだのとまぜて、遅い夕食にしようと、ボールに入れておいたら、いつの間にか起きて来たカツジ猫に、刺身を一切れ奪われた。ボールをのぞきこんで、においをかいだり、なめたりして、ちらちらこちらを見たりして、これ僕が取ってもいいのかなーという目つきをするので「食べてもいいんだよ」と言うと、決心したのか一切れくわえて引っ張り出して行った。それで満足したのか、それ以上は手をつけなかった。本当に、子猫のときに、すんでのことで飢え死にしかけたにしちゃ、こいつは実に口いやしくない。まあ覇気がないだけって話もあるが、もしかしたら、迷い猫になって飢え死にしかける前には、けっこういい暮らしをしていたのかもしれない。ピンクの首輪をしていたから、飼い猫だったのはまちがいないのだ。
◇年末締め切りの原稿は、何とか構想だか方向だかが見えて来たけど、問題はこれは数か月前に達しておくべき段階だったということである。
いくら構想や見通しができても、実際には完成までには一二度は行き詰るものなのだが、今回は行き詰ってる余裕がない、息詰まる展開だ…と、しょうもないギャグを言いたくなる。
何しろ取り上げる作品の紀行について調べようと思って、ネットで検索したら、私の論文しか出て来なかった。よくあることなのだが、めげた。
◇大阪のダブル選挙では橋下市長のなりふりかまわぬ発言が、いっそうひどくなっている模様です。
http://lite-ra.com/2015/11/post-1694.html
それに対して、いっそ歯がゆいぐらいにまっとうに、力強いことばで対抗している人たちの声。
大阪に直接関係がない方々でも、自分たちの地元の政治を考えるために、聞いておいて損はないことばの数々です。
http://sealdskansai-1122voice.strikingly.com/
まだまだ最後まで情勢は変化しつづけるでしょう。白票や棄権だけはしないでと、大阪に知人友人がいる方々はどうぞ伝えてください。
https://twitter.com/sangituyama
https://www.youtube.com/watch?v=0zCCh47a9hM&feature=youtu.be
◇ところで、映画「コードネームはアンクル」のソロやイリヤやウェーバリーの過去の経歴は面白かったですけど、「ナポレオン・ソロ」にしろ「コロンボ」にしろ、これは前にも書きましたが昔のこういう海外ドラマでいいのは、主人公たちの私生活や過去がまったく描かれないことだったのですよねえ。
彼らはとことん、事件とだけからんで、それが終わったら画面から消えて行く。コロンボ夫人なんて、わざとみたいに絶対姿を見せなかったし、彼が犯人に語る家族や親族の話というのも、真実かどうかはわからないまま。ソロやイリヤなんて、私的な話はまったくしたことがなかった。今考えたらすごい。(いや、したことあったっけ。そこまで気にして見てなかったけど、「君のお母さんがね」とか「ぼくのいとこがさ」とか口にしたことが一度くらいは…ううむ、なかったと思うけどなあ。どうだったろう。)
今の海外ドラマと来たら、主人公たちの家族や過去やトラウマが、ものすごく重要な要素となっている。正直言って私はそういうの、しんどいし好きじゃない。まったく過去も私生活も見せなかった、昔のドラマの、つつましくも、きりっとしていた主役たちが、あらためて、なつかしくて、いとしい。