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どしゃぶりの夜に

◎天気予報通り、こちらは今夜はひどい雨です。
福岡のカルチャーセンターの講座が第一回だったので、電車で行って来ました。
来年の大河ドラマ「清盛」を見こんで計画された講座のようですが、受講者の皆さんは、特にそういうのでもなく、古典を学びたい、という感じでしたので、やや予定を変更して「平家物語」の話をすることにしました。
その方が私もやりやすいです。(笑)

私が留守の間に、表の家のことで電気屋さんと大工さんが見えました。カギを預けてあったので、勝手に入って電気の配線とか見て行かれた旨、携帯に電話があって、「ああ、いいですよ」と応じていたものの、帰りの電車の中で、はっと気づいたのは、きっと大工さんたちが出入りしている間に、いつも外に出たがるカツジ猫が脱走して、気づかれないまま閉めだされたにちがいないということでした。

雨はじゃんじゃん降っているし、暗くなっているし、きっと途方にくれて家に入れないまま、どこかに行ってしまって、ぐしょぬれで、しょぼしょぼ見知らぬ軒下やものかげをほっつき歩いているんだろうと、駅から大急ぎで帰って玄関を開けたら、果たして出てこないし、いる気配もありません。
明日はまた仕事があるのに、今夜この雨の中をさがし回らなければならんかと覚悟を決めながら居間に行ったら、椅子の上にやつが座っていて、私を見て大あくびをしました。

私は「あ~もう、やれやれ」と言いながら、やつの顔を両手ではさんで、もみくちゃにしました。やつは、むすっとしていましたが、かみつきもせず、されるままになっていました。進歩かな。

◎永井愛の戯曲「歌わせたい男たち」を電車の中で読みました。ほのぼのとした哀しみをこめた、いい劇ですが、この題材(日の丸君が代起立問題)自体の現実が、あまりにも非現実的にぶっとんだ話なので、喜劇もなかなか超えられない感じはします。

あとがきで、永井さんが、これをロンドンで公演する予定だったら、向こうの(英国の)責任者から、「これは何十年前の話ですか」「到底、今起こっていることとは信じられない」「ロンドンの観客は、こんな事態が存在することが理解できないだろう」と結局拒否されて公演中止になったという、笑えないけど、笑いこけちゃうしかない話を紹介していましたが、この事態の異様さ、滑稽さは、もう「不思議の国のアリス」「キャッチ22」なみですよね。

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カツジ猫