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な、情けない・・・

◎夕方、買い物に出かけようと家を出て車に乗ろうとしたら、私を見送ろうとして、金網をはった庭に出てきたカツジ猫が、まちがえて私がいるのと反対側の金網の前に座って、熱心に外を見ていました。

猫の後ろ姿というのは妙にかわいいもので、私はしばらく反対側の金網の外から、カツジの大きな頭を見ていました。
すると、カツジの向かい側の植え込みから、ときどきこのへんを歩いている大きなノラ猫が現われました。
大きいと言ったって彼はカツジのような長毛じゃないので、ほとんど同じ大きさに見えます。模様はカツジによく似た灰茶色のキジで、彼にしてみたら、「同じ外見なのに、何でおれじゃいけないんだい」という気分かもしれません。
向うもカツジを見つめて、正面からゆっくり近づいて来ました。

カツジはビビリの臆病者ですが、一応自分の庭だし、金網越しだし、少しはいばってうなって見せるか、得意そうな余裕で無視するか、金網ごしのパンチの応酬にでもなったら、ちょっと仲裁に行こうかなどと思って見ていたら・・・
何とカツジは、そこに座ったまま、ただ、すうっと首をちぢめて身体を低くして目と耳しか相手には見えないぐらいの高さになってしまいました。金網の下の方はコンクリートの土台で、私が踏み台をおいてやっているので、そこに座るとちょうど上半身が外から見えるぐらいなのですが、そのまま身体を沈めて目から上だけのぞかせているのです。

何というアホだと泣けました。

13年前に死んだ愛猫キャラメルは、金色と白の大きな落ち着いた猫でしたが、けんかも強く、よその猫が金網の上を歩いたりすると、7キロもある大きな身体で金網の天井に飛び上がり、片手でぶらさがりながら、片手でパンチを浴びせるほどのファイト満々の猫だったのに。それでいて、私にかみつくことなど死ぬまで一度もありませんでした。堂々としていて、威厳があって。

そんなことを思い出しながら、車に乗って走り出したら、カーラジオでスマップが「どんな花も美しい、オンリーワンなのに、人間はどうして比べてしまうんだろう」と歌っていました。(笑)

◎庭は毎年おなじみの、源平つつじが咲き始めました。枯れたと思ったサルスベリとサカキの木もいっぱいに明るい緑の芽をつけているのが、何ともうれしい限りです。

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カツジ猫