ねぎらいの雨
あいかわらず忙しくしている。
家の中が少しずつ片づいていくのは楽しいのだが、その片づいたところのくつろぎ心地を試そうとして、ソファに寝たり、テーブルでお茶を飲んだり、しばらく読書をしてみたり、DVDを鑑賞したりするから、時間がいくらあっても足りない。
そして、そうしている内に、あそこにああいう絵をかけたいとか、ここには鏡もつけときたいとか、いろいろいらんアイディアが浮かぶものだから、またまたそれに時間をとられる。
書かなきゃならない原稿も手紙もメールも、いやっつうほどあるのになあ。
それでゆうべはバテて寝た。朝起きてしばらくしたら、雨がしとしと降りはじめてた。水まきをしないですむのがありがたい。ねぎらいの雨だ。もっともこれでまた、草も木もいちだんと伸びて茂ってはびこるのだろうよなあ。
しかし、うすら寒いので、最後にのこった灯油を使い切るのには、いいチャンスかもしれない。
その、くつろぎ場所のお試しで読みはじめた「ブリキの太鼓」だが、異常でぶっ飛んだ話という先入観があったのだが、むしろきわめてていねいで、穏やかでまっとうな、自伝小説のようで、現代ヨーロッパの背景とともに楽しんで読める。
と思っていたら、主人公が成長を拒否して自ら三歳で成長をとめるという、シュールな展開にさしかかってきた(笑)。どうなるんだろね。