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ひげの心配。

◇昨日だっけの毎日新聞で山田孝夫氏が、安保法案について、「政府の説明も不十分だが、反対する側も国防をどうするかを提案して話し合いを充実させてほしい」というようなことを書いていた。山田氏は原発については廃止すべきと言っておられて共感するのだが、これに関しては危険な提言だと思うなあ。
今、これだけ安保法案に反対が広がってるが、その中には当然改憲や国防の充実を望む人も多く混じっているはずだ。いや、改憲や国防を真剣に考える人なら誰でも絶対に、政府があんなにいいかげんな説明しかできず、首相があんなに意味不明なことしか言えない法案を、支持したり成立させたりする気には、絶対にならないだろう。
私は平和憲法を支持し、戦争に反対する。しかし、政府や首相のていたらくを見ていると、この人たちは改憲とか国防とか戦争ということに対しても、まったく真剣でもないし勤勉でもないし、やる気もないし好きでもないんじゃないかと思わずにはいられない。今の政府と首相の態度に一番怒り狂っていいのは、日本を守るために軍隊持って戦争しようと真剣に思っている人たちじゃないか。あの法案とあの首相を支持しようという人たちが、国を愛して国防を考えているとは、どうしてもまったく思えないのだが、私には。
◇まあ、真剣に他国と戦争しようと思うなら、まず食料の確保とか国民を健康に幸福にして豊かにして病院と教育機関を充実させようとか、そのへんからやらないとどうしようもないのに、それを何もしないで、テロリストにねらわれたらいちころ、地震で事故ったらもう日本おしまいの原発に執着するあたりから、どう考えても今の政府に、どこの国相手でも、まともに「勝つ気」があるとは見えないんだけどね、私には。それを支持し支援する人たちにも。
何しろ、日本の国防を考えるなら、まっさきにすることは、とにかく、閣議決定なんかでてきとーに決めた今のあの案をひっこめること、そこから始めるしかないでしょ。誰がどう考えても。それをそのまま、対案出せなんか言っても、変な方向に話が進んで行くだけだ。それって、言ってみりゃ、いきなり訪問販売に来て、新車を買いませんかと言って、断ったら、じゃどんな車を買うのか聞かせろと言われるのと同じ。道で呼び止めて、この化粧品いりませんかと聞いて、いらないと言ったら、今どこの化粧品を使ってますかと聞くのと同じ。いっちばんムカつくパターンだろ。そっちが売りつけようとしてるものを、いらないっつってるのに、何の理由が必要なんだよ。説明責任はすべて、そっちにあるんだよ。
◇ネトウヨだか何だかしらんけど、学生の集会への悪口コメントのパターンはいくつかあって、「就職に困るぜ」っていやしい脅しには、当の学生が「それ以上に、この法案がもたらす未来が恐い」と凛然と反論した。「背後に共産党がいる」という、おなじみの宣伝も、共産党が嫌いと明言する維新の議員をはじめとした多くの人の参加によって否定された。今、わりと残っているのは、「中国や北朝鮮が攻めてきたらどうするか考えているのか」というこれも相当おなじみの言い方のくり返しだ。山田氏の主張も結局はこの流れに合流するものでしかない。
中国やその他の国が攻めてくる危険性について、私はまだじっくり考えたことはない。必要ならむろん考えたいとも思う。しかし、ものごとの緊急度と危険度を考えた場合、あの政府と首相の説明のぼろぼろぶりをそのまま認めて成立させた集団的自衛権で、中国だろうがどこの国だろうが、攻めて来たときに守れるわけはなかろうが。その前にアメリカの戦争にまきこまれの、テロの標的になりの、軍事予算で国が疲弊のと、さしせまった危険が目白押しだろうが。何より、そういうことをちゃんと話し合おうとする姿勢が、政府にも首相にも根っからないだろうが。今、何よりも危険なのはそのことで、だから多くの人たちが、とりあえず今国会の成立はやめようじゃないかという気になっているのだ。
「中国がー、北朝鮮がー」と今ごろ叫ぶ人たちを見るたび、私の頭の中では、映画「七人の侍」で、村の長老が、野武士を防ぐのに侍をやとったら、村の娘に手を出されはしないかと苦にする農夫をたしなめて、「首が飛ぼうっちゅうときに、ひげの心配してるだか」ということばが、思い出されてしかたがない。ほんとに、いまどきそんなのんきな心配する人たちって、世界情勢も歴史も戦争も軍隊も国も何も関心ないのかとさえ思う。私もそんなにあるわけじゃないけど、それにしたって、いくら何でもバランス感覚なさすぎだろうが。ついでに現実感覚も。
◇小原美由紀さんという方が文字にして下さった、渋谷での戦争法案反対の集会での、もう一人の学生の訴えです。どうぞお読みください。(以下が、小原さんのブログからの引用)SASPL時代からほっんとにスピーチうまいなぁ、と思っていた本間くん。昨日は久々に出番があると聞いていたけど、ハチ公前、開始時間が押して、もう管直人元総理になっちゃったよー(>_<); もう終わりかー残念すぎる。と思った瞬間、「まだ、学生にも言いたいことがあるんです!」と。おおっ!本間くんだ! 
本人からスピーチ全文をあずかっています。ぜひっ、お読みください!
<☆<  本間くんのスピーチ@渋谷ハチ公前 6月27日 >☆>こんにちは。筑波大学3年の本間信和と申します。よろしくお願いします。今日、僕はここで言うべきことがあります。
それは、自由と民主主義を守りたいということ。
そして、私は戦争法案に反対するということです。
現在国会で審議されている“戦争法案”こと、安全保障関連法案。これは、内容からして十分話し合われ、熟議を尽くして判断しなければならない、重要な案件です。この法案が可決されてしまえば、日本は集団的自衛権を行使できるようになり、戦争に参加する可能性がぐっと高まります。そして、その戦争とは、日本とは本来関係のない、他国の戦争かもしれません。つまり、この法案が通れば、他の国の戦争に日本の若者が巻き込まれ、命を落としたり、あるいは人を殺してしまう危険性が高まる、ということです。
そんなこと絶対に、許してはなりません。
それに対して、政府は自衛隊の活動を「後方支援」に留める、といって、決して戦闘行為そのものにはかかわらないんだ、という印象をアピールしています。果たしてそうでしょうか。政府が言い続けて

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