びいびい鳴く黒猫が
あんまりうるさいので、庭に放り出したら、家には入りたい、私は恐いで、今度は庭でびいびい鳴きつづける。知るかと思って泊まりがけの仕事に出かけた。さっき帰ってきたら、雨の庭で鳴きつづけていて、戸をあけてやっても入っては来ず、放っていたら、ひもじさに負けてやっと入ってきた。エサをがっついているので、好きなおやつをやったら、ようやく抱かれた。小さい猫で、その小さい背中がびしょびしょなのが、大してかわいそうでもないのは、やっぱり私はこの猫が好きじゃないんだなあ。今また落ちついて、今度は出たいと鳴いているけど、要するに、今の私の気分では、「そ~ゆ~わがままやって、うるさく鳴いて、私が気にするほどの存在と自分のことを思っている、そのかんちがいがたまらん」ということにつきる。
しっかし、あれだよなあ。こういうやつに限って、何でか最後まで生き残って私と暮らす最後の猫になってしまったりするんだろう。ま、それもいいか。最後の猫との別れが大して悲しくなくって。
カゼはどうにか治ってきた。体力気力が減退して身体がなまっているのにちがいない。今回のカゼの快挙といえば、いつも大幅に残るうがい薬を、ほぼ使い果たしそうになっていることだ。
税金の数々も何とか払ってしまった。気がつけば4月も終わりかけていて、第二の人生も何もあったもんではない。あいかわらず時の濁流の中にいる。