ぼくたちの、ほたるけんぶつ(カツジ猫)
みなさん、こんばんわ
かいぬしは、このごろ、へんな、かえるのぬいぐるみを、
いっぱいかいこんで、はまってしまって、
ぼくたちの、かたちのくっしょんよりも、
そいつらのほうを、だいたり、さわったりするから、
ぼくは、ひじょうに、むかつきます。
せんぱいねこの、きゃらめるさんや、あにゃんさんは、
「おもしろいかたちで、いいじゃん」といって、
ぬいぐるみをひっかいたり、ころがしたりして、あそんでいます。
ぼくたちは、みんなもう、しんでいるから、
まえとおなじに、いっしょにくらしていても、かいぬしや、
いきものの、めには、みえないし、
ひっかいても、ころがしても、ぬいぐるみはうごかないけど、
ときどきはずみで、ぬいぐるみのどれかが、いすからおっこちたりして、
かいぬしは「あれ」といったりしています。
きゃらめるさんは、そんなときは、「やべえ」とかいっています。
あにゃんさんは、いそいで、にげて、かくれます。
しろねこの、みるくさんは、「やわらかくて、きもちがいい」と、
かえるを、まくらにして、うごこうとしません。
ぼくが、ふきげんなのをみて、きゃらめるさんは、
「おまえ、ほんとに、やきもちやきだな」と、
あきれています。
でも、かいぬしは、きょう、とつぜん、
「いつも、ふくをおいていない、すーぱーに、
おもいがけず、ふくのぱっくが、たくさんあって、
やすかったし、ついかってしまった」といって、
にわの、しろいゆりといっしょに、
ぼくのおはかのまえのろうかに、そなえてくれました。
いきていたときから、ふくは、ぼくのだいこうぶつです。
それで、ぼくも、すこし、きをとりなおしました。
きょうは、あめがふっています。
「おてんきのうちに、いかないとね」といって、
かいぬしは、このまえのよる、ぼくたちをつれて、
ちかくのこうえんに、ほたるをみにいきました。
くらい、だれもいないやまみちを、ながいことはしって、
まえに、かくにんしておいたばしょに、ついたら、
かいちゅうでんとうをもった、おとこのひとが、
いりぐちにたって、あんないをしてくれていて、
ちゅうしゃじょうは、くるまで、いっぱいでした。
なんとか、くるまを、おしこんで、
かいぬしは、ぼくたちと、かわのそばの、くらいみちを、
ずっとあるいていきました。
ぼくたちは、めがみえるから、へいきだったけど、
かいぬしは、あたりがみえないし、いきちがうひとも、
みえにくいので、ようじんして、あるいていました。
あかちゃんをだいた、わかいひとたちや、かぞくづれや、
かっぷるみたいなひとたちが、いろいろいたけど、
みちもながくて、こうえんもひろいので、
みちは、けっこう、せまかったけど、
そんなに、ぶつかりそうにはなりませんでした。
かんじんの、ほたるは、なかなかいなくて、
きゃらめるさんや、みるくさんは、
「かいぬしの、いなかのいえには、すぐよこにかわがあって、
なつには、もっといっぱい、ほたるがいたのにな。
まだむおばさんや、むかしのねこたちのはなしでは、
かいぬしが、こどものころは、もっとすごくて、
みわたすかぎり、みちも、かわも、いえのまわりも、
ほたるだらけで、むらのひとが、そうでで、
みにきていたそうだ」といっていました。
でも、ずっとおくのほうにいくと、
あかるいひかりが、すうっといくつか、かわのうえや、
やぶのなかをとんでいて、あにゃんさんは、さっそく、
かわのふちまで、かけおりていったり、
はしのらんかんのうえを、はしったりしていました。
みるくさんも、げんきに、やぶのなかをはしっていて、
きゃらめるさんと、おいかけっこをしていました。
ぼくは、かいぬしのそばをゆっくりあるいて、
はしのらんかんにもたれているかいぬしのよこで、
かわのうえを、いききする、ひかりをながめていました。
なかには、たかいそらに、あがっていくひかりもありました。
それを、いっしょに、みあげながら、ぼくたちは、
かわのみずおとを、きいていました。
「こうえんは、あんがい、ひろいんだね。
そして、かわのそばまで、おりたら、もっとみられるかもね。
こんどは、あかるいうちから、はやめにきて、くるまをとめて、
かわのふちまでおりて、くらくなるまでまとうか」と、
かいぬしはいって、まるで、みえているように、
てをのばして、ぼくのあたまをなでました。
いきていたら、こんなところにいっしょに、
くることなんかなかったはずだから、
しんだのも、わるくないと、ぼくはおもいました。
しばらくしてから、またみんな、あつまってきたので、
ぼくたちは、また、かいぬしと、くるまにのって、
みんなで、いえにかえりました。
ぼくたちは、そのよる、「また、いってみたいな」とか、
「かいぬしのいなかのいえにも、みにいきたいな」とか、
「おんせんのやども、ほたるがいるらしいぞ」とか、
いろいろ、おそくまで、いいあいました。
かいぬしも、いそがしそうだし、どのくらい、じつげんするか、
わからないけど、ちかくのこうえんには、もういっかいぐらい、
いってみたいとおもいます。
