ぼくの、したじは、しろ（カツジ猫）

みなさん、こんばんわ

ずっとあめがふっていたけど、いまはやんでいます。
「これなら、おりひめと、ひこぼしも、ちょっとぐらいは、あえるかもしれないよ」と、
かいぬしは、そらをみながら、いっていました。

あめがふるひは、ねこは、ねるものなので、
ぼくも、まいにちずっと、ねています。
かいぬしが、けを、とろうとして、ぶらしをかけるのは、いやだけど、
すっきりして、きぶんがいいきもするので、
ときどき、ちかづいていって、そばにねて、
すこしだけ、ぶらしをかけさせます。

きのうは、あさから、あめだったので、かいぬしは、でかけるときに、ぼくをだいて、
「しんぱいしなくてもいいよ。ちゃんと、はやめに、かえるからね。
おうちが、ながされたりはしないから、あんしんして、おるすばんしなさい」といって、
でかけていきました。

でも、よそでは、いろんなひがいがでたそうで、
「ねこたちは、だいじょうぶだったのかねえ。
ちゃんと、にげたり、かくれたりしたのかな。
かいぬしさんが、ひがいにあったら、これから、こまるだろう」などと、
かいぬしは、きにしているみたいです。

かいぬしが、はなをかう、おみせのひとが、
「これはきっと、かつじは、すきでしょう」といって、
すすきのような、ほそい、きれいな、みどりいろのくさを、くれました。
ぼくは、きにいったので、くわえて、ひっぱって、
かびんからだして、あそびました。

かいぬしが、「ほんとうに、すきでしたよ。
あの、よわよわしくみえるかんじが、
きっと、ぼくでもかてる、とおもって、うれしいんでしょう」
と、おみせのひとに、ほうこくしたら、
おみせのひとは、「やっぱりね」と、よろこんで、
また、おなじくさを、くれたそうです。
かいぬしは、それを、げんかんにかざって、
まだぼくに、くれません。

ぼくにくれたのだから、
はやく、ほしいです。

かいぬしは、げんかんのとびらの、かぎが、
かかりにくくなっているので、
「わるいひとに、おいかけられて、いそいで、にげこむときに、
あけるのに、てまどって、ころされたら、いやだわ」といって、
きょう、かぎやさんをよんで、なおしてもらいました。
かぎやさんが、「ねこはいま、なんびきですか」ときいたので、
かいぬしは、「としよりが、にひきと、わかいのが、いっぴきで、
さいごをみとどけるには、わたしも、ながいきしないと」といいながら、
ぼくをだいていって、かぎやさんにみせました。

「ひとみしりはしないんだけど、びびりだから」と、かいぬしはいって、
「でも、だかれてたら、あんしんしているみたいやね」と、かぎやさんがいうと、
「それが、このねこは、おとこのひとがすきで、
わたしのことは、あまりすきじゃないみたいなの」と、
わらっていました。
ぼくは、おさしみや、かつぶしをくれるひとが、すきです。

かいぬしが、ぶらしをかけて、むだげをとるので、
ぼくのけは、しろっぽくなりました。
「おまえは、したげが、しろいからね。
だから、ぜんたいが、ぼうっとかすんだかんじになるのよね」と、
かいぬしは、こうさつしています。