ぼくの、なつやすみ
かいぬしは、「いそがしい、いそがしい」と、
まいにち、あせっています。
ときどき、でかけて、なんにちかかえってきません。
かえってきて、ぼくをみて、
「なんだか、しゅぽ~と、しぼんだねえ。さびしかったの」
としんぱいします。
そして、いちにちたつと、
「おや、また、ふくらんだ。あんしんしたのかな」といいます。
ぼくがねている、このそふぁ~のうえには、
いま、かいぬしがまちでかってきた、
わりとじょうとうのかばーが、かかっています。
ぼくが、つめでひっかくと、いとがぷしゅ~と、ほつれるので、
かいぬしは、「うわああああ」と、あたまをかかえています。
ときどき、げんかんがあいたすきをねらって、そとにでると、
かいぬしは、おっかけてきて、ぼくをだいて、
いえのまわりを、いっしゅうして、「はい、おしまい」といいます。
「おまえは、とろくて、すぐ、つかまるから、だいすき」と、
よろこんでいます。
ぼくのけは、もうあまり、ぬけなくなりました。
「なつのあつさも、あとすこしかな」と、
かいぬしは、ぶらしをかけながら、いっています。