ぼくのこと、おぼえてる?(カツジ猫)
みなさん、おはようございます。
なつから、ずーっと、かおをみせなかったから、
もう、ぼくのことをしらないひとや、わすれたひとも、いるんじゃないかな。
ぼくは「かつじ」といって、このうちの、ねこです。
にせんじゅうねんに、このいえにきたから、ことしで、じゅういっさいになります。
かいぬしは、たいちょうが、いまいちだったり、
にわしごとに、ねっちゅうしたりしていて、
ぼくに、ちっともかまわなかったので、
ずっと、つまりませんでした。
えさは、ちゃんとくれてたし、といれのそうじも、してくれてたけどさ。
ちかよって、あまえても、あんまりあいてをしてくれないので、
ぼくも、ふてて、ずっとろうかのいすで、ねていました。
にわしごとも、いちだんらくして、
ねんまつまで、しごとのよていもないらしくて、
かいぬしは、ことしののこりは、ぼくにさーびすすることに、きめたようです。
まいばん、ぼくがまくらもとにいくと、
ふとんにいれて、だいて、はなしかけてくれます。
「きれいなけなみだねえ。すべすべして、きぬみたい」
とか、いいながら、なでてくれます。
ごはんのときは、おさしみも、わけてくれます。
「まいにち、ぶらしもかけて、けだまもとって、
おもちゃで、あそんであげるからね」と、やくそくしてくれました。
ほんとかな。いつまでつづくか、あやしいもんだよ。
「にわのきを、のこぎりで、きりたいな。さむくなるまえに」とかいってたし、
あんまり、きたいしないでおこう。
それに、けだまをとられるのは、すきじゃないんだもん。
くしで、すかれるのはいたいし、はさみできられるのは、もっといやだしさ。