ぼくは、そうじきがきらい(カツジ猫)
みなさん、おはようございます
かいぬしは、ゆうべ、ぱそこんげーむにはまって、
あけがたまで、じかんをつぶしながら、
「あー、かつじがいきていたら、こうなるまえに、
べっどから、にゃーにゃーないて、よぶから、
わたしはしごとをちゅうしして、ねにいったのに。
ときどき、なくのをむししていたら、
べっどからおりて、ちらかったにもつのなかを、
あしもとまで、あるいてきて、
みあげて、にゃあにゃあ、ないてくれて、
わたしはおもわず、てをおろして、
あたまをなでて、しごとをやめたのに。
しゃしんは、こんなにたくさんあるけど、
こえは、のこってないのよね。
あのこえを、もういちどきけたらなあ。
ろくおんしとけばよかったよ」
と、なげいていました。
ふーんだ、ぼくのなきごえをきいて、
「おまえ、その、きょうはくするような、
しつこい、すごみのあるこえが、いちばんきらい」
とか、おこっていたくせに。
いまはぼくのすがたもみえないし、
こえもきこえないんだから、
じぶんで、しごとをせいげんしないと、
そのうち、ばててもしらないからな。

よふかしをするもんだから、かいぬしは、ひるまばててて、
でも、きのうは、「ひさしぶりに、そうじきをかけるか」といって、
しばらくまえに、ふんぱつしてかった、あたらしいそうじきで、
あちこちを、そうじしていました。
ねこはみな、そうだとおもうけど、
ぼくは、そうじきがだいきらいで、
へやのむこうのほうで、おとがしはじめても、
すぐに、そとにでていました。
「ほんとに、どんなによくねていても、
あっというまに、きえるねえ」と、
かいぬしは、かんしんしていました。
しんでても、そうじきはきらいなので、
ぼくはすぐ、にわに、にげだしたました。
くろねこの、あにゃんさんも、ついてきました。
でも、だいせんぱいの、きゃらめるさんは、
へいきで、べっどにながくなったままで、
ばかにしたように、そうじきを、みおろしていました。
「こわくないのかなあ。いやじゃないのかなあ」と、
そとからみながら、ぼくがいうと、あにゃんさんは、
「いきてるときから、へいきだったらしいよ。
ゆかでねていて、かいぬしが、そうじきをかけたまま、
さきの、すいこみぐちを、おなかのところにくっつけて、
けをすいこんでも、いまみたいに、
へいきなかおで、みてたってさ」といいました。
「うそだろう。そんなの、ねことしては、おかしいよ」
と、ぼくがいったら、あにゃんさんも、
「うん、あのひとは、すごすぎる」と、さんせいしました。
にわにいるあいだに、あにゃんさんは、
じぶんのこともすこし、はなしてくれました。
そのはなしも、またいつかします。
そうじきのおとがやんだので、
ぼくたちは、また、いえにもどって、
きゃらめるさんといっしょに、べっどでねました。
きゃらめるさんは、へいきなかおで、あくびをして、
「あいつに、はらのけを、すいこまれるのは、
わりと、いいきもちだぜ」といいました。