ぼくは、ちょうちょ(カツジ猫)
みなさん、こんばんわ
かいぬしは、このまえ、ぼくが、ろうかのつくえのうえで、ねているのをみて、
「あれー、うしろあしの、けが、さかだって、
なんか、くろい、ちょうちょがいるみたい」と、わらって、
こんなしゃしんを、とりました。
「まえから、こんなだったかな。
けが、ながくなったのかな。
べつに、ぐあいがわるいとかじゃなさそうだし。
『やんきー』が、かみを、かためて、かっこつけてるみたい」
と、しゃしんをみながら、いっています。
きのうは、かいぬしが、まえにかっていた、
『きゃらめる』さんの、めいにちでした。
かいぬしは、いそがしいなか、
あさはやくおきて、おそなえや、はなをかざって、
おはかのまえにも、はなをうえて、
がんばっていました。
きのう、かいぬしは、いそがしかったので、
ほとんど、いちにち、いえにいなくて、
おにわの、かなあみのなかから、みおくっているぼくに、
「きょうは、きゃらめるが、かえってくるから、
おまえが、わたしのかわりに、あいてをしていなさい」と、
いいつけていきました。
いちにち、あたたかくて、よくはれて、いいてんきでした。
かいぬしの、はなしでは、
きゃらめるさんのめいにちは、
たいてい、こんなふうに、よくはれるそうです。
ぼくは、ろうかのつくえのうえで、おひるねをしていました。
ひざしが、ぼくのうえに、ぽかぽか、さしてきて、
「きゃらめるの、けのいろは、きんいろで、
へやにはいってくると、たいようのひかりが、さしこんでくるようだった」
と、かいぬしが、いつもいっていたのを、おもいだしました。
あれが、きっと、きゃらめるさんだったと、おもいます。
ぼくは、もう、ことし、はっさいになります。
「きゃらめるを、おいこすねえ」と、かいぬしは、
ぼくをなでながら、いっています。
きゃらめるさんが、しんでから、もう、じゅうはちねんです。
ぼくは、きゃらめるさんより、ながいきするかもしれないけど、
しんだあと、かいぬしが、おもいだしてくれるじかんは、
かいぬしが、しょうしょう、ながいきしても、
きっと、きゃらめるさんのながさには、かなわないと、おもいます。
あっ、どっちみち、じゅうはちねんのさは、
ちぢまらないのか。
かいぬしは、よなかちかくに、かえってきて、
うえのいえから、もってきた、
きゃらめるさんの、しゃしんをみていて、
「しまった、せっかくかっていた、『かわはぎ』を、
れいぞうこに、いれたままにしていた」と、
あわてて、なべにいれて、にていました。
きゃらめるさんは、かわはぎに、めがなかったそうです。
しゃしんのまえに、おさらにいれて、そなえて、
「ふう、あぶないところだった。まだよなかまえだから、
めいにちには、まにあったわ」と、いっていたけど、
けさになって、やっぱり、きゃらめるさんのすきだった、
「あまえび」を、れいぞうこにいれたままだったのに、きがついて、
「やれやれ」と、わらっていました。
「あまえび」は、ぼくもすきなので、
はやく、わけてくれるといいとおもいます。