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まったくの気のせいか

◎気温が30度でも、少し涼しくなってきたような気がします。身体が慣れたのか、太陽もばててきたのか。
書斎を片づければ、ここの窓も開けられて風が通るのですが、いつになることやら。今日とうとう、たまりかねて窓を開けたらさわやかな風が入ってきて、ほっとしました。しかし、風といっしょに後のドアからカツジ猫が入ってきて、パソコンに飛び上がって変なキーを押したため、一時「お気に入り」機能がマヒしました。
やつは私に怒られて、ふてて逃げて行きましたが、まあ、早くこいつが寝そべられるように、机やいすの上の本や資料を片づけてやらなくてはいけないのは、わかっているのですが。

◎「川めぐり日記」につづいて、江戸の役人の治水工事の旅日記を読んでいます。作者が不明。まさか「川めぐり」の作者と同一人物ではあるまい、文体もちがうし。しかし、そこがくせもので、文体を変えると別人のように見えるからなあ。特に雅文体と俗文体では。
発想や着眼点は似ているから、いやである。仕事が同じ、有能な官吏だから似ているだけと思うことにした。おいしい竹の子を食べて、近くの寺で作っているというので、育てる秘訣を聞くと、「肥料が第一。特に猫がいいので、数匹殺して埋めると最高」ということで「住職がそんなことをするのか」と作者はあきれている。私もあきれたが、我が家の庭にたくさん埋まっている歴代の猫の墓に、竹の子が育たないかと、ちらと思いはした。(笑)

◎地デジ難民らしく、つい昨日は大型電気店に行ってのぞいてみた。安い小型テレビはまだ少しあったが、まあ買うまでの気にはなれない。
その店の大型テレビで放映していた娯楽教養番組で、壇ノ浦の戦いが話題になっていた。どこかの先生が「平家は優しいんですよね。団結も強い。途中で脱落したり逃げた人もいない」とか話している。戦線離脱して熊野で自殺した維盛や、宮中からの使者花方の鼻をそいで、「浪方と改名しろ」とその名を額に烙印した時忠はどうなるんだと思っていたら、「壇ノ浦で平家が勝っていたら、もっと武士が優しくなって日本の歴史が変わったかもしれない」とか、ますますとんでもない話になっていた。司会の一人の若い女性が「でも、平家以外の人は人間扱いされなくなるかもしれないですね」と、さりげなく突っ込みを入れていたのは、まあ当然だろう。

一般の人に話をわかりやすくしなくてはならないと思うあまり、専門家の先生は時々暴走するが、これもそのたぐいだろうか。しかし、程度というものがあるだろうに。
実は私は10月から福岡の朝日カルチャーセンターで、平家物語の講座を担当することになっている。中公新書で「平家物語」というのを書いたのは、かなり前だし、自分でもあまり自信がなかったのだが、その番組を見て、いくら何でもこれよりはいいだろうと、ちょっと低次元な安心をした。(笑)

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カツジ猫