1. TOP
  2. 岬のたき火
  3. 日記
  4. もやもやもや。

もやもやもや。

◇今夜は久しぶりに外食した。顔見知りのオーナーと、「あれはもうだめですよ」「何を考えているんだか」「言ってることがぼろぼろで、意味がわからないです」「回りも誰ももう無理だと言ってますよ」「もう終わりでしょう」「最後にやけで何をするかしれないのが心配」などと、首相のことを話し合い、「怒るネタが多すぎて、話が止まらないですね」と言い合って別れた。

それで思い出したことはある。忘れていたが少し前、アベは施政方針だか所信表明だか、何かの演説をした。その最後に「継続は力なり、ということをわかっていただくようにしたい」とか何とか言った。

こう書いたのは毎日新聞である。読んだとたんに、ものすごくもやもやしたのだが、なぜなのか、うまく説明できなかった。あとで原文?を読んだら、「継続は力であるということを、国民のみなさんにわかっていただくようにしたい」みたいな言い方になっていて、微妙にちがうが(毎日新聞の書き方の方が、より「変さ」がはっきりすると言えばそうだ)、どっちにしても、やっっぱりどこか変だと思えてしかたなかった。

◇私のまちがいかもしれないのだが、「継続は力である」って、こういう時に、こんな風に使うことばだろうか?
たとえば、ひっそりと静かに何かにはげんだり、努力を重ねたりしていて、ようやくそれが実るとか、かたちになるとか、人に認めてもらえるとか、そういう時のことばだろう。

もっと細かいこと言うと、「継続は力」ということは、人に理解されたり評価されたりするようなことじゃないだろ。継続してやってきた、その何かが理解なり評価なりされるということであって、「あー、継続してるっていうことは頼りになって頼もしくて正しいことなんですね」とか言われるようになる、という話じゃないんじゃないだろうか。ねえ?

ややこしいよね。微妙なちがいだ。
でも、絶対にちがうことだ。
首相の話や態度には、こういう、どうしようもない、小さいけど根本的に、あんたそれちがうだろ的なことが、すごく多い。

◇どう考えても、首相が何を「継続」してきたのかが私にはわからない。
しいて言うなら、まあ誰がどう考えてもそれしかないが、彼が「継続」してきたことと言ったら、これまで長々政権の座についていたということだろう。
で、それが「力」だとわかってもらうって、いったいどういうことなのさ。

そんなこと「継続」していたのは、もう誰でもが知ってるし、その結果、何かいいことがあったと言うなら、そのいいことに注目し評価するわけで、「力」だなと認めたりするわけではない。

あえて、しいて、首相の言いたいことを忖度しまくって考えると、「長期政権だからこそできることがある。長期政権でないとできないことがある。私がずっと権力の座についていたからこそ、できたことがある。それをわかってもらうようにする」ということに近いのだろうが、その、「できること」「できたこと」が、国民にとっていいことか悪いことかが問題で、それはどっちでもいいから、そこをわかってもらう、っていうのは、よく言えば支離滅裂、悪く言えば恐ろしくて身の毛がよだつ言い方である。
それがそうだということを、まるで気づいてないらしいところに、この人のすべてが現れている。

小さいが、わずかだが、ぎりっとくいちがう、決定的な何か。そこに、この人の本質が見える。

Twitter Facebook
カツジ猫