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やっぱり消費税なんよなあ…

私のよく行くツイッターでは、消費税5%を変えない件で、山本太郎とれいわが、野党統一を乱してるとして、けっこう厳しい批判が多い。先日のむなかた九条の会でも、消費税の件で野党統一をどうして行くか皆で悩んだばっかだもんなあ。やっぱりこれがネックになるのか。

変な還元とかややこしいことしまくってでも上げたがる政府が一番悪いんだけど、何とかうまく話し合いをつけてくれないかな野党は。そして、れいわと山本太郎が浮かれ過ぎてるって言うならそうかもしれんけど、むしろ、皆が投票して支持すれば、これだけの力を持てるんだってことを、投票する側(棄権した側)は実感して、自分たちの持ってる力を自覚してほしいよ。

仕事が多すぎで、やることが多すぎるので、どうも殺気だってしまう。今日も久しぶりに町に出たのに、カレンダーと手帳の気に入ったのを見つけて買うのに、ショッピングの楽しさというより、店員さんの応対がのろく見えたり、同じ手帳に手を伸ばす人がいらだたしかったり、終始ガツガツ浅ましかった。いかんいかん。
幸い、どちらも、ねらっていたのが買えたけど。あとは近所の店で、いつもの橋本さんの花の絵のカレンダーを、いくつか補充すればいい。
黒井健さんのは、まだ入荷してなかったから予約だけして来た。

こんなに毎日カリカリせっぱつまるのは、どこかで時間を無駄にしてるんだと思って目を光らせて一日の自分の行動をチェックしてみたけど、あんまり削れるのがないんだよな。
しいて言うなら、上の家の猫たちの世話をしに行って、仏壇に線香をあげたあとで、つい居心地良くした椅子に座って、そのへんの本を読み返す時間とかか。でも、これは楽しいから、なかなかやめられない。

仏間ではこのごろ中島京子の「小さいおうち」を読み返してる。何度読んでもほんとにいい。中島京子の本はどれも悪くはないが、これはもう格別に最高だ。
映画も家のセットとか奥さまとタキちゃんの女優陣は最高なんだけどなあ。山田洋次のどーしよーもない泥臭さと変な階級意識がなあ。うまい監督だけに原作をむちゃくちゃにしてる。私が特に許せないのは、浜辺で最後に恭一坊ちゃんが(もう老人だが)「この年になって母の浮気の証拠を見せられるとはね」という淡く優しく上品なせりふを、JRの団体旅行のじいさんばあさん向きの温泉大衆演劇みたいな下品な笑いにしちゃったこと、タキちゃんがあんなに大事にしていた、私にとっても大事だった女中部屋を奥さまに「ここ、暑いわね!」と原作にないせりふを言わせておとしめて、バカな階級性を出したこと。ほんとにあさましい。ほんとキライ。

小説読んでる分には、そんなこともなくて、もう完璧に素敵なんだけど、あえて言うなら、文庫本のラスト、小説が終わったところで、すぐ次のページから作者と誰かの対談で、余韻にひたる時間がなく、著しく興をそぐ。たった半ページの空白を、なぜ作れなかったのか。なぜ、あそこでページを追いこんで本文とくっつけたのか。文庫本の制作者に呪いをかけてやりたいぐらいだ。なーんもわかってないやつが作ったんだとしか思えない。くやしい。つくづく。

居間ではもうずっと、大田洋子の原爆小説「人間襤褸(にんげんらんる)」を読み返してる。そろそろ同じ作者の他の作品も読んでみたいのに、ついついページを開いてしまう。
主役級の皆も印象に残るが、ちょい役というか、すぐに死んでしまう人のひとりひとりも忘れられない。たとえば火の手が回る中、同級生の学生の死体が散乱する中で、ぼんやり石に座っていて、「なぜか腰が動かんのじゃもの。僕はここで死ぬる」と言う男子学生。こんなの読んでると、広島弁が聞くたびになつかしくて切なくなる。

生き残って活躍する中では一番だんちがいにえげつない八重という女性が、通りかかってこの少年を抱き上げて立たせようとするが、腰が砕けているのか本当に動けなくて、少年は「小母さん、早く行って」とか言うので彼女もそのまま去るしかない。多分とことん、自分のことしか考えない彼女が、唯一ちょっとでも救おうとした相手であることもあって、この子のことが印象に残るのだろう。
後になって行ってみると、もう死体は皆燃えて残ってなくて、彼もいない。そのまま焼けてしまったのだろう。

もうひとり覚えているのは、小学校も出ていないが、生き延びたあと、「わしは選挙に出る」と言ってまわっているじいさんで、彼は学問を禁止することを政策として訴えるという。学問をするから、人間はこんな爆弾を作ったのだって言って。彼の娘は思いを寄せてくれた学生と、周囲にすすめられて、やっと会う決心をして出かけた朝に途中で原爆にあって死んだ。相手の学生も大怪我をして、腸がはみ出て数日苦しみぬいて死んだと、その母親が話してくれた。だからそのじいさんは、立候補しないではいられないのだ。
人間の悲しさ、優しさ、たくましさ。こんな人たちの思いを置き去りになんかできない。

昼間は暑いが、つくつくほうしは声をあわせて大合唱している。姿は見ないが家の前のキナモチの木の中でやかましく声がするので、今朝よく見たら、下の方の幹にとまって鳴いているのが見えた。目が合ったのでもあるまいが、じいっと言って飛んで行ってしまった。アブラゼミやクマゼミはすぐ下まで行って見上げても平気で鳴いていたのだが、ちっこいやつは警戒心が強いのかな。

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カツジ猫