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んもう、嘘やろー

研究とかとは何の関係もない仕事がひとつ片づいて、気晴らしにどこかに遊びに行きたいのだけど、何しろ育ち盛りの子猫二匹がいたのでは、泊りがけはおろか日帰りの旅でさえ、しばらくはできないんじゃあるまいか。

その子猫二匹(じゅんぺいとみなきち)は、ぱくぱくごはんを食べて、昔もどの子猫かを見ていて思ったことがあったが、じーっと見ていると大きくなって行くのが肉眼で確認できそうなほど、日に日に育って行く。もう、トイレの砂場から外にぴょんぴょん飛び出して、おもちゃのボールを転がして、つめとぎ板でいっちょ前につめをといだりしている。小さい針のようなつめは、先日病院で看護師さんに皆切ってもらったので、いまひとつ使い勝手が悪いはずだが、けっこう平気で巣箱をよじのぼったりしている。

天使のように無邪気だったのだが、心なしか自我が出て来て生意気になって、つかむとぱたぱた抵抗したり、手を出したら後ずさったりしはじめた。そのくせ、ひざに上がりたがったり抱かれたがったり、追っかけて来たりする。二匹とも甘えるが、どこかクールでべたべたしてない。神経質なところがない。

じゅんぺいは、きれいなしまもようだが、口の回りがほのかにオレンジがかっている。みなきちは全身黒いが、ところどころに一二本白い毛が生えていて、お腹もごく一部が白い。よかったね、中世だったら、これでおまえは火あぶりにならずにすんだのだよ。白い毛が一本でもあれば、黒猫じゃないということになって魔女狩りで焼き殺されずにすんだらしいから。

子猫が太るのは何の問題もないが、私の体重も増えていそうで恐い。今日出かけるので久しぶりに指輪をはめたら、きつくなっていた。帰って来て家でタンクトップに銀のネックレスをしてお茶でもと思ったら、そのネックレスが首にきつきつだった。ぎゃあ。

今夜は思いきり何もしないで、バカなテレビ番組でも見るか、苦いほど濃いお茶を入れて、買って来てある「このわ」のお菓子を食べようか。とにかく、仕事はしないことにする。今後の計画も立てないことにする。

叔母の花は、あっという間に満開になった。いきなりなので、ちょっと驚く。

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カツジ猫