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ウソだろー。

◇人間ドックに行くのを、明日とばっかり思いこんでて、昨日ゆうゆうと資料をチェックしたら、何と一日前の今日だった。その方が予定としてはむしろいいのだが、とにかく泡を食って大慌てで飛び出して、一応無事にすませて来た。そうは言っても私はいつも超音波でひっかかるポリープがあり、結果を3週間後に聞くまでは油断できない。

ともあれ一応終わったので、ケーキのドカ食いでもしようかと思ったが、いただいたみかんやリンゴがたくさんあるので、DVDを見ながら、それを食べるのでがまんした。正月に飾った巨大鏡餅の中につまっていた小餅がどっさりあるのを、いろいろおいしい食べ方はあるのだろうが、ネットで調べて最初に見つけて試した、油揚げにはさんでレンジで焼いて食べるのが、あまりにもおいしいので、もうそればかり食べている。パンにかける甘い醤油というのを、地元の店が開発したのをそれに試したら、これがまたいけて、やめられない。どうしよう(笑)。

◇ドックでの待ち時間に、なかなか読めないでいた伊藤詩織さんの「ブラックボックス」を一気に読んだ。すごく読みやすくて、わかりやすくて、ジャーナリストとして才能ある人なんだなと、よくわかった。レイプした相手を怒りをこめて告発しながら、どす黒い憎しみなどはない、その精神の清潔な強さもすばらしいと言うしかない。

しかししかししかし。
人間ドックの待合室の優雅な椅子にひとりきりで、ゆったり座って、ホテルのようにのんびりとした環境で読みながら、私は何度も呆然とし、歯噛みし、いらだった。
レイプしたバカ男に今さら腹は立たない。いや立つけど、どうせこんなことばっかりして来たんだろうと、読めば読むほどほんとに思うし、世界でも日本でも、こういうことは蔓延してるんだろうと、そこも、あきらめちゃいけないけど、あきらめる。

私がほんとに衝撃だったのは、優秀で行動的なだけでなく、子どものころからやんちゃで冒険好きで、元気いっぱいの詩織さんが、こんなバカ男にレイプされ、それも薬を飲まされて意識不明でホテルに引きずりこまれるという、問答無用に最低下劣なレイプをされていながら、直後に警察にも病院にも駆けこまず、誰にも話せずなかったことにしたいと、友人たちとの会食など、普通の生活をしてしまっていることだ。すぐに下着を洗濯したとか言うのを読んで、思わずあーっ、それはあかん、あちゃー、まずいと、椅子の上で飛び上がりそうになった。

◇私がネトウヨなみに(しかし2ちゃんねるのネトウヨっぽい人たちの言説でも、この件があまり話題になってないのは、もうその時期がすぎたのか、さすがにいちゃもんつけられないのか、よくわからないが)この事件が詩織さんのでっち上げとか言ったり思ったりするとしたら(何しろ、沖縄の小学校に米軍機の部品が落ちたのも、でっち上げとか言ってるアホもいるらしいから)、これほどしっかりして優秀で、百戦錬磨の海外体験もあるような人が、こんなことされて、こんなのんきな対応するかウソだろ信じられんということだろう。ほんとに、その疑いは説得力あるんじゃないかと思う。

こんなことされたら、その場で騒がんかい、ホテルの受付に「レイプされました!」とどなりこまんかい。警察にかけこみ、病院に飛びこみ、診断書書かせて、親から親戚、友人一同にギャーギャー言ってふれ回らんかい。私が思いつく反応は、もうそれしかないんだけど、きちんとした育ちのいい常識のある人ほど、そんなことできないんだろうか。

まあそうなんだろうなあ。ネットの署名の書きこみでも、傷ついている被害者の皆が皆と言っていいほど、誰にも言えずに抱えこみ、苦しみぬいているのだもの。被害を受けた自分が悪いと、とっさに思ってしまうのだろうか。もう、この常識だけは死んでも変えねば。心の底からそう思う。

https://www.change.org/p/%E6%80%A7%E6%9A%B4%E5%8A%9B%E3%81%AE%E8%A2%AB%E5%AE%B3%E8%80%85%E3%81%8C%E6%95%91%E3%82%8F%E3%82%8C%E3%82%8B%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%81%AB%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AB-%E8%A9%A9%E7%B9%94%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%A8%E5%85%B1%E3%81%AB%E5%A3%B0%E3%82%92%E3%81%82%E3%81%92%E3%82%88%E3%81%86-fighttogetherwithshiori-%E7%A7%81%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%AE%E5%85%89-%E7%A7%81%E3%82%82-metoo/w?source_location=petition_show

◇そう言えば、このブログにもずっと以前に書いたが、田舎の母が悪徳業者のカモにされて、何百万も家の修理とかで金をむしり取られてたとき、私は消費者センターにかけこんで、対策を相談した。ちゃんと対応してくれたが、その時まだ私は大学に勤めていて、担当者は「職場に電話していいですか」みたいなことを聞いた。

何のことだかわからなくて、そりゃもちろんだろと思って「はあ?」という反応をしてたら、要するに、そういう被害にあったのを、職場や近所や家族やいろんな人に知られたら困るという人が多いのらしい。
嘘ばかまさかと思った。「え、私は会う人ごとにしゃべりまくってまだ足りず、街頭演説したいぐらいの気分でいるのに」と、思わず言ってしまったが、だまされるのが何が悪い。だました方がみっともなくて恥ずかしいのに決まっている。いったいどういう感覚だ。今でもわからん、永遠にわかるまい。

基本的には授業では、授業と関係ない話はしないのだが、これはもう、学生たちに注意喚起しておきたいなあ。女性だけでなく男性だって、セクハラやレイプの危険はいくらでもある。それに限らず被害を受けたら、ギャーギャー騒いで言って回れ、せめて親しい人には即話せ、親しい人がいないなら、とりあえず私に電話しろ。ただもう、それだけでも言っておきたい。いいかい、被害を受けるのは、恥でも何でもないんだよっ!

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カツジ猫